子供の痔 〜基本的に手術はしない〜
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(2019年5月7日加筆修正)
子供の頃、離れにあるボットン便所に行くのが怖くて、よくトイレを我慢していた佐々木みのりです。
痔というと年寄りやオッサンがなる病気・・・と思っている人が多いようですが、子供だって痔になることがあります。
当院には乳幼児から小学生、中高生も受診してますよ。
基本的に大人の痔と変わらないのですが、特に小さな乳幼児の場合は手術しません。
乳幼児特有の乳児痔瘻があるのですが、これも同じです。
基本的に手術はしないです。
今日は子供の痔について説明したいと思います。
この記事の目次
子供の痔で多いのは圧倒的に切れ痔(裂肛)
痔は一つの病気ではありません。
肛門の良性疾患の総称です。
主にいぼ痔(痔核・脱肛)・切れ痔(裂肛)・痔瘻の3つが代表的な痔疾患ですが、この中で子供に多いのが切れ痔(裂肛)です。
ほとんどが切れ痔と言ってもいいくらいです。
たまに乳児痔瘻もありますが、これは全例が男児にみられると教科書にも記載されています。
確かにその通りだと思いますし、私たちも男児の乳児痔瘻しか診たことがないのですが、先代の院長が女児の乳児痔瘻の症例報告を学会でしていたようです。
そしていぼ痔は稀です。
少なくとも私たちは乳幼児のいぼ痔(痔核・脱肛)は経験ありません。
お母さんが「いぼ痔だ!」と言って来られたケース全例が切れ痔(裂肛)による見張りイボでした
ただし中学生以上になるといぼ痔(痔核・脱肛)も発生してくるようになります。
私たちは出残り便秘と鈍感便秘が原因で、長年、肛門に便を溜めた結果、うっ血とクッション部分の脆弱化が起こり、いぼ痔(痔核・脱肛)が出来ると考えています。
実際、2〜3年便秘したくらいでは立派ないぼ痔(痔核・脱肛)は出来ません。
いぼ痔(痔核・脱肛)というものが長年の便秘(出残り便秘や鈍感便秘)の結果出来るからなのか、便秘歴の短い10歳以下の子供には見当たらないのです。
ところが中学生くらいになると便秘歴が長くなってきますから、いぼ痔(痔核・脱肛)も発生してくるようです
大阪肛門科診療所では中高生で手術を受けた子も数名いますが、全員が高校生でした。
痔瘻と切れ痔(裂肛)による「肛門ポリープ」が多くて、いぼ痔(痔核・脱肛)は本当に少数です。
やはり便秘歴が長くならないと出来ないいぼ痔(痔核・脱肛)は少ないですね。
切れ痔(裂肛)は肛門のケガですから、一度でも硬くて大きな便が出れば簡単に出来ます。
だから小さな子供でも起こりやすいんですね。
乳児痔瘻
本セクションは、院長 佐々木巌が書かせていただきます。
乳児痔瘻とは、文字通り乳児がかかる痔瘻のことで、肛門が化膿する病気です。
炎症が酷い場合は切開の処置をして膿を出すのが良いとされていますが、通常、乳児痔瘻は成長するに従って自然に治るとされています。
また乳児痔瘻は男児に多く、女児には少ない病気です。
ちなみに当院の先代院長故佐々木茂雄が、1973年に当時珍しいとされていた女児の乳児痔瘻を報告しています。
ただし、世の中で乳児痔瘻といわれている病状のなかには、肛門科で言う痔瘻だけでなく、痔瘻に似た別の病気が紛れ込んでいる可能性もあります。
実のところ、乳児痔瘻は当院では経験が少なく、経験したケースも診断だけで継続的に診療した経験が少ない病気です。
日本全体としても、肛門科に相談されるよりも小児科(小児外科)に相談されるケースの方が多いのではないかと想像します。
さらに肛門科医よりも小児外科医の方が、特に処置については扱いなれている可能性が高いです。
しかし、診断は肛門科医の方が得意な可能性が高いと考えています。(理由は下をお読みいただければご理解いただけると思います)。
そんなわけで乳児痔瘻については小児外科出身の肛門科医に相談するのが理想的ですが、なかなかそういう先生に巡り会うことはできないと思います。
おそらく多くの肛門科医は乳児痔瘻の診断はしても処置に積極的ではないと思います。
そんな場合は肛門科を経由して、小児外科に受診するのが良いのかも知れません。
何が起こっているのか?
この記事を書くにあたって調べてみたところ、肛門科では痔瘻と呼ばない病状までもが、小児外科領域で乳児痔瘻と呼ばれている可能性があることに気付きました。
ですから一般に乳児痔瘻と呼ばれている病気は以下の2つのタイプに分けることができます。
肛門科医が痔瘻と呼んでいる病状(以下「痔瘻タイプ」)
肛門科医にとっては痔瘻ではないが、便宜上乳児痔瘻と呼ばれている病状(以下「皮下膿瘍タイプ」)
これらが一緒くたになっている可能性があるのです。
ただ、診断が間違って(?)いたとしても、基本的に自然に治る病気なので臨床上は問題がおこらない、結果オーライと言うことかも知れません(笑)。
痔瘻タイプの乳児痔瘻
基本的には通常の痔瘻と同じものです。
ただ、通常の痔瘻と乳児痔瘻は好発部位が違います。
通常の痔瘻は肛門の前方と後方(つまりお腹側と背中側)に起きることが多いのですが、乳児痔瘻は肛門の右側か左側にできることが多いのです。
理由は分かっていません。
通常の痔瘻について詳しく書いていますので、こちらをご参照ください↓
皮下膿瘍タイプの乳児痔瘻
このタイプの乳児痔瘻の原因として重要視されているのは、「おむつかぶれ」だそうです。
私たち肛門科医からすると、おむつかぶれから化膿した病状は痔瘻ではありません。
しかし、敢えて書いています。
実は
「『おむつかぶれ』が乳児痔瘻の原因になる」
と言う記載をとある小児外科系のサイトで見た私は、
「これは定義からして痔瘻とは違うではないか!『おむつかぶれによる化膿』は痔瘻と呼んじゃいけないはずだ!こんな間違いは無視!」
と一度は無視しようとしたのですが、
「いや待てよ?小児外科の間に勘違いが横行しているのではないか?もしかすると、世の中で乳児痔瘻と呼ばれているものの中には、おむつかぶれによる化膿が含まれていて、それでも問題なく診療が行われているのかも知れない。」
「ということは、『乳児痔瘻です』と診断を受けた患児の中には、相当数のおむつかぶれの化膿が含まれているかも知れん。」
「つまり、その親御さんがこの記事を読むかも知れない、その方の役に立つことも書かなきゃイカン。」
と感じたために、皮下膿瘍タイプの乳児痔瘻について書こうと思いました(笑)
小児外科系のサイトを確認すると乳児痔瘻は布おむつの児に多いそうなのです。
乳児のおむつかぶれを診たことがありますが、私が診たケースは化膿しておらず、痔瘻と間違いそうな雰囲気は全くありませんでした。
化膿してしまったら痔瘻タイプと識別が困難なのだろうか・・?
あるいは、私がまだ経験したことのない病態があるのかも知れない・・
少し心配です。
ちなみに私がこれまで乳児痔瘻と診断したケースは全て痔瘻タイプでした。
症状・治療・経過について
肛門が腫れ、痛みがあるため、患児は不機嫌になります。
下痢で悪化するとされています。
痔瘻タイプと皮下膿瘍タイプで悪化のメカニズムが大分違うはずですが、確かに両タイプとも下痢をすると悪化すると思います。
治療ですが、化膿の炎症が酷ければ切開して膿を出すのが良いとされていて、膿さえ出てくれれば、通常は自然に治るとされています。
ただし、膿が止まらないケース、繰り返すケースでは手術すると言うことになっています。
当院の場合は小さなお子さんの切開処置や手術(のための麻酔)を安全に行えるだけの経験が無く、お引き受けできません。
切開の処置は小児外科の先生の方がずっと手慣れている可能性が高いです。
子供の痔の背景にも出残り便秘と鈍感便秘がある
ここからは佐々木みのりが担当します。
子供でも痔の背景には便通異常があります。
診察をすると肛門の中に便があります。
中にはコロコロ便がぎっしり詰まっている子供もいます。
大きな塊になってしまって出口を塞いでいる「便栓塞」(いわゆる糞詰まり)も子供に見られます。
摘便はかわいそうなので、坐薬や浣腸で出してもらっていますが、子供の場合は大人と違って、ちゃんと出せることが多いですね。
乳幼児だと患者さんに質問しても答えが返ってきませんから、お母さんに色々と尋ねることになります。
そこでよく言われるのが
排便を嫌がって泣く
というもの。
あるいは
「便をするときに真っ赤な顔をしてきばって、泣きながら便を出している」
「便が下りてくると肛門が痛いのか、泣き出すから分かる」
と言われることも多いです。
そしてコロコロ便や大きな塊の便が出て出血も伴います。
外から見ても傷が分かることもあります。
そして毎日便が出ていてもスッキリ出ずに便が残っていると、残った便は次の日に持ち越しになるため、翌日出てくる最初の便は昨日の出残り便です。
当然、1日経ってるから古くなって固まってしまっています。
出始めの硬い便が出ると、そのあとからダダーッと軟便が出るというケースも多く、毎日出ているから親の方も便秘とは考えません。
そりゃそうですよね
毎日出てたら便秘だなんて普通は考えないと思います。
そしてそれが悪化すると、便を出すのを嫌がるようになります。
小さな子供でも便意を我慢するんですね。
我慢して出さないようになると、毎日出ていた子供でも、便通が悪くなって1日おき、2日おきの排便になってきます。
肛門に溜められる便の量はどんどん増えていって、肛門が鈍感になっていきます。
便秘がひどい子供になると、1週間くらい便が出てない状態で受診することもあります。
当然、肛門は悲惨なことになってますが。。。
出残り便秘が鈍感便秘を引き起こし、鈍感便秘は糞詰まりの原因となります。
だから早めに対処したいものですね。
酸化マグネシウムなどの内服薬は肛門には効きません
子供の便秘や痔のトラブルは小児科でも診てくれます。
小児科も内科系の先生と外科系(小児外科)の先生によって随分、対応が分かれるようですが、よく出される薬が酸化マグネシウム系とピコスルファートナトリウム系(ラキソベロン)の内服薬です。
依存性・習慣性が少なく、小児から高齢者、妊娠中まで使用できる安全な内服薬で、私も下剤のファーストチョイスはこれです。
腸も黒くならないし、腹痛もほとんどなく自然に便が出るのでピコスルファートナトリウム系は「おなかの便秘」の患者さんにはよく出してますね。
でも、これらの内服薬は当たり前ですが肛門には効きません。
おなか(腸)に効きます。
良い便を作って肛門まで送り届けることをしてくれます。
これから作られる便には効きますが、既に出来上がって肛門の所まで降りてきている便や、ましてや出残り便には、どんな飲み薬も効きません。
だから下剤を飲んでいても出始めだけは硬かったんです。
だって既に製造も運搬も終わった便ですから・・・。
また腸がちゃんと動いているのに下剤を飲むと、おなかが痛くなったり何度も便が出たり、下痢になったりします。
「出始めだけが硬くてあとは下痢」という場合は出口(肛門)の便秘の可能性が高いです。
必要の無い下剤を飲むと、切れ痔の傷に便が入りやすくなって、かえって切れ痔が悪化することも多いです。
また酸化マグネシウムは「ねちょっとした便」になるため、スッキリ出ずにかえって残りやすくなります。
「あの薬を飲むと、かえってスッキリ出にくいんです」と言われる患者さんも多いです。
本当に下剤が必要かどうか、便が溜まっているのは腸なのか肛門なのかを考えて治療することが大切です。
小児科でも出口に効く浣腸や坐剤を使って便秘治療をしている先生が結構多いですね。
私の外来に来られる患者さんの多くが小児科を受診してから来られていますが、浣腸をされている先生が多いことに逆に驚きました。
ただし、小児への浣腸も注意が必要です。
使用量、タイミングなど、子供によって違うため、薬局で購入して勝手に使わず、小児科で相談して下さいね。
ちゃんと排泄することが大切!
大人の切れ痔(裂肛)と基本的に治療は同じです。
肛門の中が便まみれだと傷が治りませんから、ちゃんとキレイに排泄することが大切!
痛くてかわいそうだから・・・と便を出さずに放置すると、さらに痛くなります。
痛みがひどくなると排便を嫌がるようになり、排便に対するイメージが悪いものになってしまいます。
排泄って動物においては快感だったはずなのに、苦行になってしまっては今後の人生に暗い影を落とし、便秘人生を歩むことになってしまいます。
そうならないためにも、切れ痔の傷が治るまでは痛くても血が出てても、ちゃんと便を出し切って切れ痔の治療をしましょう。
便まみれの肛門に痔の薬を注入しても何を塗っても治らないです
だから治療の第一歩は排泄から。
ちゃんと排泄した肛門に薬を使えば効きますよ。
ちょっとした切れ痔なら2週間くらいで治ってしまいます。
便意を我慢することを覚える前に治療したいものですね。
基本的に手術治療はしない
大人であろうと子供であろうと、痔の多くは手術をしなくても良くなりますから、大阪肛門科診療所では基本的に手術をしない技術、手術を避ける技術を大切に診療をしています。
特に子供の痔は基本的に手術はしません。
手術しなくても良くなることがほとんどですし、手術となると小さな子供の場合は全身麻酔となりますし何をやるにも大変です。
便通を直せば切れ痔は治りますから基本的に便秘治療を行うことになります。
当然ですが、切れ痔が治っても便秘の治療は続けなければ、また何度でも切れ痔を繰り返します。
だから便通の管理はずっと続けて下さいね。
そうすればお子さんが痔を繰り返すことも、切れ痔のせいで排便を嫌がることもなくなります。
大切な成長期に、排便とは気持ちの良いことだと教えてあげたいですね。
便意を我慢することから便秘が始まる。だからトイレを失敗しても叱らない。
出口(肛門)の便秘は便意を我慢することから始まります。
出そうになっている便を我慢すると、だんだん便意が起こりにくくなり、どんどん溜められる、便意を我慢出来る肛門になっていきます。
便意を我慢することは肛門を、便を溜められるように鍛えているようなもの。
本当は便を出すようにトレーニングしないといけないのに、便を溜められるようにトレーニングしてるんです。
鍛えられた肛門は本当にどんどん便を溜められるようになり、肛門が鈍感になっていきます。
肛門が鈍感になると便が溜まっても分からなくなり、便意が本当に起こらなくなってしまいますから、「溜める習慣」ではなく「出す習慣」を付けないといけません。
そしてこの便意を我慢する習慣というのは本当に小さな子供の頃から始まるんですね。
どうやら一度切れて排便で痛い経験をすると、オムツをしている頃から便意を我慢するようになります。
でも、小児期で一番多いのがトイレトレーニングを始めた頃です。
うまくできない時に親から叱られたりなんかすると、隠れて排泄をしたり、それでもうまくいかないと便意を(時には尿意も)我慢するようになって、トイレを嫌がるようになります。
トイレはイヤな場所
排泄=お母さんから怒られる
という刷り込みになってしまうと、それを覆すのが本当に大変になってしまいます。
だから一番大切な事はトイレを失敗してもおねしょをしても決して叱らないこと。
「○○をすると叱られる」
ではなく
「○○をすると褒めてもらえる、良いことがある!」
と教える方が、結局は親も楽ですし、幸せな育児が出来ます。
トイレでうまく排泄出来たときに、大げさと思うくらい大喜びして、いっぱい褒めてあげて下さい。
感情的になってしまうと、頭では分かっていても、いざ行動するとなると中々難しいのですが、子供の人生を左右すると言ってもいいくらい大切なトイレトレーニングです。
だから焦らずゆっくりじっくり取り組んで欲しいものです。
他の子供と比べて遅い速いで悩むお母さんが多いですが、大人になって振り返ってみれば何も差はありません。
ちょっとくらい他の子供よりオムツが外れるのが遅くなっても大丈夫です。
集団生活は便意を我慢するきっかけになりやすいから注意!
保育園や幼稚園に入って集団生活をするようになると、便意を我慢することが多くなります。
「おしっこ!」「うんち!」と言える子供ばかりではありません。
小さくても遠慮して言えなかったり、最近は恥ずかしいから我慢する子供も増えてきています。
また洋式トイレの普及により、和式トイレで用を足せない子供たちが多いです。
保育園や幼稚園、学校で和式トイレしか無かったら、トイレを我慢するそうです。
また本人はそんなつもりがなくても、遊びに夢中でトイレを忘れることも小さい子供の場合、結構多いのです。
切羽詰まらないとトイレに行かない時期ってありますよね
親が「今、トイレに行きなさい」と言っても、何かに夢中だと、「あとで」とか「今、行きたくない」と言って親の言うとおりに行動しません。
そして本当に切羽詰まってから「トイレ!!」となって間に合わない・・・という経験、子育て中にしたことある方も多いと思います。
小さな子供って本当にギリギリまでオシッコもウンチも我慢してることがあるので、親や先生が「行きたくなったら我慢しないでトイレに行こうね!」とこまめに声かけをする必要があります。
特に集団生活が始まると休憩時間にしかトイレに行けなかったりします。
その休憩時間も小学生にもなると教室の移動やら、次の授業の準備やらで追われ、トイレに行く時間すらなかったり、友達にからかわれるから、臭いが気になるから学校ではウンチを出さないようにしている子供も多いです。
それは何も子供に限った話じゃなくて、先生だって同じです。
先生も授業中はおろか、休憩時間すらトイレに行けず、結局、帰宅してから自宅でゆっくりトイレ・・・という人も本当に多いです
学校が自由にトイレに行ける場所になることを心から願っています。
授業中に手を上げてトイレ!というのも恥ずかしくて出来ないみたいですから、出入り自由っていうのがいいのかもしれないですが、それじゃあ統制が取れないのかなぁ・・・
なかなか幼稚園や学校における授業中のトイレ事情は議論が絶えない問題でしょうね。
当院の患者さんの中に教師の人が結構おられるのですが、「先生も行きたくなったら行くから、みんなもトイレを我慢せずに授業中でも行こうね!」と子供たちに説明して、自分も我慢せずに授業中にトイレに行くようにしたら、子供たちも遠慮せず行くようになったと嬉しい報告を頂きました。
そんな先生が増えると便秘になる子供も減って、痔になる人も減るのではないかと思うんですけどね
というわけでして。。。
親や先生が子供たちに「行きたくなったらスグにトイレに行こうね!」って声をかけてあげることはとっても大切!
小さな子供の便秘は大人の責任でもあるので、初めての集団生活に入る時は特に気を付けてあげて下さいね!
元皮膚科医という異色の経歴を持つ肛門科専門医。現在でも肛門科専門医の資格を持つ女性医師は20名余り。その中で指導医の資格まで持ち、第一線で手術まで担当する女医は10名足らず。元皮膚科医という異色の経歴を持つため、肛門周囲の皮膚疾患の治療も得意とし、肛門外科の医師を対象に肛門周囲の皮膚病変についての学会での講演も多数あり。
「痔=手術」という肛門医療業界において、痔の原因となった「肛門の便秘」を直すことによって「切らない痔治療」を実現。自由診療にもかかわらず日本全国や海外からも患者が訪れている。大阪肛門科診療所(旧大阪肛門病院)は明治45年創立の日本で2番目に古い肛門科専門施設でもあり日本大腸肛門病学会認定施設。初代院長の佐々木惟朝は同学会の設立者の一人である。
2017年10月には日本臨床内科医学会において教育講演を行うなど新しい便秘の概念を提唱。