痔について
痔かな?と思ったら
肛門に不調をかかえる患者さんを診るときに医者が心配するのは、実は痔ではなく、ガンです。
あなたも、もしかすると「痔だと思っていたらガンだった」という不幸な話を聞いたことがあるかも知れません。痔とガンの症状はとても似ているので、昔から不幸なケースが後を絶ちません。
ですから痔が疑われる症状があったら、病院(できれば専門医)に相談してほしいのです。痔の治療のためではなく「ガンではない」という医師の診断のためです。
テレビや雑誌、もちろん当サイトもそうですが、痔の情報を集めているとどうしても「自分は痔だ」と思い込みがち。しかし、その前に必要なのは医師のガンではないという診断であることを強調しておきたいと思います。
痔ってどんな病気?
医学的に言うと、痔とは肛門にできる良性疾患のことです。良性疾患とは生命に別状のない病気という意味。一方、ガンは死に至る病気で悪性疾患と呼ばれます。
痔はひとつの病気ではありません。有名なのは、いぼ痔、切れ痔、痔ろうです。この3つの病気、直接の原因は異なりますが、その原因をたどっていくと最後に辿り着くのは便通の不調。そんなわけで、当院では痔の根本原因は便通の不調と考えています。
さて、痔は良性疾患ですから、治療の方針や治療をするかどうかまで患者さん自身が選ぶことができます。注意したいのは、早期手術はかえって良くない場合があるということ。診察は早い方が良いのですが、手術だけは早期が良いとは限らず適切なタイミングで行うべきです。専門医に受診をお勧めする理由です。
痔の種類
有名な痔には、いぼ痔、切れ痔、痔ろうの3種類があります。なお当院を受診する患者さんの割合は、いぼ痔が51%、切れ痔が28%、痔ろうが7%、その他14%となっており、この3種類の患者さんが全体の86%を占めています。
痔の種類と治療
痔の症状は大きく3つに分類されます。種類ごとに症状や治療法など詳しく説明します。