痔瘻・痔ろうは「じろう」と読みます。肛門が化膿する病気です。
通常は激痛と発熱で発症し、初期に膿を出すために切開処置を必要とするケースが多い病気です。
こういった初期段階の痔ろうは特別に肛門周囲膿瘍と呼ばれます。
教科書的には痔ろうの原因は下痢とされていますが、当院では便秘の方の痔ろうも多数経験しています。
なお、いぼ痔(痔核)は悪化しても痔ろうにはなりません。切れ痔(裂肛)の中には浅い痔ろうになるケースがありますが、すべての切れ痔が痔ろうになる訳ではありません。(Ⅰ型痔瘻を参照)
他のもっと軽度の痔が悪化して最後にたどりつくのが痔ろうである、と考えている方がおられますが、これは誤りです。痔ろうはいぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)とは独立した別の病気です。
症状は痛み、腫れ、膿、発熱が最もよく見られる症状で、かゆみが主体のケースもあります。
一方で、無症状の方もおられ、多彩です。
これは炎症の強さが変化することと、炎症による症状には個人差があるからです。