痔ろうと診断されました。手術になりますか?
まず、痔ろうの初期(別名、肛門周囲膿瘍)では、膿を抜くための切開処置が必要なケースが多いです。切開の後、2〜3週で痔ろうがハッキリ診断できるようになります。痔ろうを完治しようとすると、手術が必要です。手術以外では治せない病気です。では、痔ろうを治す理由はなんでしょう?2つの理由があります。1つは痔ろう自体の症状が辛いから。もう1つの理由は、将来の痔ろうガンを予防するためです。痔ろうガンとは文字通り痔ろうから発生するガンです。一般に10年以上の長期にわたり治療せずに放置した痔ろうに起こるとされていて、つまり高齢者よりも若年者にリスクが高くなります。痔ろうガンの発生頻度は正確には分かっていません。痔ろうガン自体が比較的稀なガンなので、それほど高頻度ではないと予想されています。痔ろうガンは通常の診察で早期発見はできないため、予防の唯一の方法が手術で根治することなのです。
以上の事を踏まえて、多くの専門家は痔ろうと診断したら手術治療を勧めます。当院も基本的にはこれに賛成で、特に若年の患者さんには手術をお勧めしています。