痔の手術は日帰り、入院のどちらが良いのですか?
当院の場合、入院と日帰りで完全に異なる術式を採用している関係で、どちらの方法にも一長一短があります。
入院手術では現在の主流である標準的な術式を行っています。メス・ハサミなどの刃物で切って、糸で縫合して・・という皆さんが想像するような普通の手術です。これらの術式でなぜ入院が必要かというと、術後の大量出血の対策です。当院の場合は5泊6日の入院なのですが、5泊6日の入院なら術後大量出血の頻度は1%未満であることを経験上確認しています。逆に短期入院の場合、出血の頻度が上昇することも確認しています。
一方で、日帰り手術の術式は、古典療法と呼ばれる方法を採用しています。極力刃物を使わず、ゆっくりと切断するのが特徴です。いぼ痔や切れ痔ならきつく縛って腐らせて落とす手術、痔ろうなら管(くだ)にゴムひもを通してゆっくり切断して落とす手術です。これらの方法は術後大量出血が極めて起こりにくく(ゼロではありませんが)、安全性が高いので日帰りができるのです。古典療法の欠点は(病気・術式により違うのですが)、痛みや治癒まで長期間かかるといった点です。
当院ではほとんどの場合入院手術と日帰り手術を患者さんのご希望で選択出来ます。詳細は診断によって異なりますので診察のときにお尋ね下さい。