季節や時期によっていぼ痔の調子が悪くなるのはなぜですか?対策は?
患者さんの中には、冬になると調子が悪い人、逆に夏がダメな人、春・秋の季節の変わり目で調子を崩す人もいますので、特定の季節が痔に悪いわけではないようです。いぼ痔はうっ血によって、季節を問わず、悪化します。うっ血とは血液の流れが悪い状態、血液が溜まる状態です。冷え、長時間の同じ姿勢(立ちっぱなし、座りっぱなし)、便秘は肛門をうっ血させますが、一番重要なのは便秘です。注意したいのは、何日も便が出ない便秘はもちろん肛門に悪影響ですが、実は毎日排便があっても出口に便が残ってしまう「出口の便秘」も肛門をうっ血させるということです。便通は季節や時期で変動しがちですが、食事や適度な運動、休息、睡眠などに気を配り、平常通りのスッキリ便通を心がけたいものです。もちろん、冬なら冷えないようにカイロを使う、座りっぱなしのデスクワークでは時々立ち上がって姿勢を変えるといった、一般的なうっ血対策も有効です。
さらに「いぼ痔の調子が悪い」と聞いて一番に思い浮かぶのは、血栓性外痔核です。突然の腫れと激痛で発症し、数日〜数週間で自然に治ってしまう病気です。専門外の先生が脱肛と間違えて手術しようとすることが多い病気です。肛門の不調のときには、慌てずにまずは肛門科の専門医に相談して下さい。