痔になったら手術が必要なのですか?
この質問には大腸内視鏡検査を受けている、という前提でお答えします。
手術が必要な度合いは、痔の種類によって異なります。
いぼ痔(痔核)の場合、通常は手術しなくても構いません。例外は大量出血などの危険な症状があるケースですが、これは少数です。当院では、手術によって得られること、失うことを比較して、患者さんご自身がどうしたいのかを決めるのが最良と考えています。
切れ痔(裂肛)は早期に適切に治療すれば手術なしで治ります。当院の裂肛の手術率は5%ほどです(2017年)。ひどい裂肛では手術を行って治療しています。ただ、手術により一旦は治りますが、術後に却って切れやすくなる場合もありますので、可能な限り手術せずに治すのが理想と考えています。
痔ろうでは、もしも可能であれば手術して治してしまうことは良い選択だと考えています。理由は、数十年放置した痔ろうにガンが発生することが知られているからです。ガンの発生する確率は不明ですが、痔ろうガンは現場では比較的珍しいことから、発生確率は高くないと考えられています。無理のないスケジュールを立てて計画的に治療するのが患者さん自身にも職場にも負担が少ないので、それをサポートするよう努力しています。