切れ痔は肛門にできたキズのことで、医学的には裂肛と呼ばれます。
ほとんどの切れ痔は硬い便で切れることが原因でそのため便秘がちな女性に多いとされていますが、下痢でも切れ痔になることがあります。
切れ痔は早期であればほとんどが手術をせずに治ります。慢性化してしまう前に、切れ痔の原因となる排便の習慣を改善することが最も有効な治療です。
切れ痔は肛門にできたキズのことで、医学的には裂肛と呼ばれます。
ほとんどの切れ痔は硬い便で切れることが原因でそのため便秘がちな女性に多いとされていますが、下痢でも切れ痔になることがあります。
切れ痔は早期であればほとんどが手術をせずに治ります。慢性化してしまう前に、切れ痔の原因となる排便の習慣を改善することが最も有効な治療です。
切れ痔はキズが古くなるほど治りが悪いとされており、キズがどの程度古いかによって急性裂肛と慢性裂肛に分けられます。
キズができたばかりの時期は、急性期と呼ばれます。主な症状は排便時の痛みと出血です。急性期は自然治癒力が旺盛で、適切な治療で完治できます。特に硬便による切れ痔では、ほとんどが便通を改善すれば治ります。痔のお薬を補助的に使用することもあります。
キズが治りきらないまま時間が経過すると、慢性裂肛になます。深いキズは潰瘍と呼ばれ、長期の炎症により見張りイボや肛門ポリープといった「でっぱり」の副病変ができます。さらに悪化すると括約筋が硬直して肛門が狭くなる病気「肛門狭窄」を併発します。肛門狭窄になると、裂肛のせいで狭くなるし、狭いからまた切れるという悪循環に陥ります。便通の管理では完治できず、手術になるケースが出てきます。
切れ痔が便に含まれるばい菌に感染すると激痛が起こります。排便のその時よりも20分〜30分たってから徐々に痛みが強くなり、半日くらい激痛が続くというのが典型的な症状です。慢性期だけでなく、急性期の浅い裂肛にも起こるので注意が必要です。痛みのせいで排便をガマンしてしまう人が多く、結果的に便が硬くなり悪循環に陥ることもあります。また、傷口が化膿して痔ろうになるケースもあります。
切れ痔の副病変である肛門ポリープや、いぼ痔(痔核)といった「でっぱり」のせいでできる切れ痔のこと。でっぱりが動くたびにそのでっぱりの根元の皮膚が牽引されるのが原因で、随伴裂肛や牽引裂肛とも呼ばれます。排便のときやでっぱりを肛門内に押し込むときなど、でっぱりが動く度に激痛があります。
便秘でも下痢でも切れ痔は起こりますが、切れ痔の多くは便秘傾向の方に起こります。ここで言う便秘とは出口の便秘です。例えば「何日も排便がない」人が切れ痔になるのは理解しやすいのですが、当院に来られる裂肛の患者さんの多くは毎日便通があると言います。
当院の考えでは、たとえ毎日出ていても出口で便を出し残している人は出口の便秘です。出口の便秘があると出残った便は翌朝までに硬くなり、出始めが硬く後半が柔らかい2階建ての便になります。出始めの硬い部分で切れてしまうわけです。
当院は手術を避ける技術を大切にする肛門科で、手術せずに治すのが最優先と考えています。
特に切れ痔は早期であれば手術せずに治ります。勇気を出して受診すること、そして早く治療を開始するようお勧めします。
当院では痔のお薬よりも便通の管理が治療の中心です。便通の管理を導入した2002年以降、手術が必要なケースが減少しました。さらに2018年には肛門マッサージ指導による肛門拡張法を本格採用し、手術以外には治療困難とされる肛門狭窄に対して、手術しない治療を試みています。2016年〜2018年の3年間では、当院の手術率は3.6%と手術になる方はごく少数です。
※いずれも保険診療で実施可能な治療です。
当院では、手術せずに治すのが最優先と考えておりますが、もし手術を行う場合、全く手術方法の異なる、入院手術か、日帰り手術か、どちらかを選択していただきます。いずれもうつ伏せで手術します。それぞれのやり方には一長一短ありますが、選択は患者さんのご希望を優先しています。
※保険診療と同様の術式を選択しています。
日帰り手術:振分結紮術、入院手術: 現在休止中
手術に踏み切る理由の代表的なものは、
というものです。
クローン病は腸管の様々な場所に炎症が起こる病気で、20代前半以下の若者に多く発症します。潰瘍形成など特徴的な外観の切れ痔を引き起こす場合があり典型例なら通常の診察でも診断可能です。しかし通常の切れ痔と見分けが付かないケースでは治療しても症状が良くならず難渋します。正確に診断するためには大腸(と小腸)の検査により得られる情報が重要になります。
痔の症状は大きく3つに分類されます。種類ごとに症状や治療法など詳しく説明します。