便秘診療についてのご質問
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自分も出残り便秘である院長の佐々木巌です。
当院ではほとんどの痔の原因は出残り便秘および鈍感便秘である、と考えています。
出残り便秘・鈍感便秘は当院の造語で医学用語ではありません。
標準治療ではこんな風には考えませんし、出残り便秘・鈍感便秘という言葉も使いません。
当院独自の、ちょっと変わった考え方です。
変わっているんですが、当院はこれが良いと思っていて、だからこの治療を行っているのです。
今回、便秘診療はどのくらいやっているのか、という主旨のご質問がありました。
ちょっと当院の立ち位置を説明しやすいご質問なので、今回はブログで回答させていただきますね。
ご質問:便秘診療、ホントにやってるの?
ネットを拝見してますが、便秘の治療の記事が少ないので、余り診察さ
うう・・何と言いますか。
単刀直入と言いますか、シンプルなご質問ですね(汗)。
次のようにお返事させて頂きました。
お返事:痔の患者さんの数だけやってます!
便秘でお困りなのですね。
通常は、当院に受診する前に消化器内科に受診相談して、標準的な便秘治療を試されることをお勧めします。
当院の治療は標準治療ではありませんし、健康保険の効かない自由診療ですので治療が高額だからです。
標準治療でうまくいかない方には、高額かも知れませんが、当院の治療がお役に立てるかも知れません。
以下、ご質問にお答えいたします。
当院は肛門科でメインの対象疾患は痔疾患となります。
当院では痔の原因は、当院の主張する出残り便秘であるという考えを持っています。
受診される患者さんは、痔とともに、ほとんどが出残り便秘も持っています。
従って、出残り便秘の治療は、ほとんど全員に行っています。
逆に痔の薬はほとんど使いません。
当院では、痔の治療=便秘の治療 なのです。
ブログに掲載されているご感想の大半は、便秘治療の感想、
ご参考になれば。
お大事に。
さらにお返事が・・
丁寧に回答ありがとうございました。
ここ三年、三軒の便秘外来を受診しました。
いずれも薬を順番に増やして自分で様子見で治しなさいという方針
今後、腸環境の整備、ガスが多いので自律神経の改善に鍼灸の受診を考えてまして、結果に
その節はよろしくお願いします。
なるほど、ちゃんと標準治療を試しておられたんですね・・・。
じゃあ、当院に受診すれば何かお役に立てるかも知れません。
「ちゃんと出しなさい」では治療できない
一般の肛門科で行われている標準治療の考え方は、おそらく排便時間の管理が中心で、排便時間が長いと痔になる、だから排便時間を短くしなさいと言う指導=治療です。
一方、患者さんの言い分は「そんなこと言われても、出ないんだから仕方ない」というものです。
おそらくほとんどの患者さんは、自分自身でスッキリ出せていないことをちゃんと知っているんだと思います。
その結果、排便時間が長くなるのです。
だから、どうすれば短くできるのか、ちゃんと出せるのか、その指導が本当の治療なのだと考えています。
短い排便時間というのは、あくまでもその結果なんですよね。
そうは言っても、私たちだって全ての出残り便秘に対処できるわけではないです。
それでも、なにかのお役に立てると嬉しいです。
大阪肛門科診療所 院長。 平成7年大阪医科大学卒業。大学5年生の在学中に先代の院長であった父が急逝(当時の名称は大阪肛門病院)。大学卒業後は肛門科に特化した研修を受けるため、当時の標準コースであった医局には入局せず、社会保険中央総合病院(現 東京山手メディカルセンター)大腸肛門病センターに勤務。隅越幸男先生、岩垂純一先生、佐原力三郎先生の下で3年間勤務、研修。平成10年、院長不在の大阪肛門病院を任されていた亡父親友の田井陽先生が体調不良となったため社会保険中央総合病院を退職し、大阪肛門病院を継承。平成14年より増田芳夫先生に師事。平成19年組織変更により大阪肛門科診療所と改称し、現在に至る。