痔を治して通院を終わらせようよ
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当院は自由診療。
保険が効きません。
だからセカンドオピニオンの患者さんが多いです。
中にはあちこちの肛門科(を掲げるクリニック)を回ってから来られる患者さんも結構おられます。
そこですごーく疑問に思うことがあるのですよ。
痔の手術を受けて痔を治したはずなのに、ずーっと通院を続けてる人がいるんです。
ちゃんと痔が治っている人もいるのに・・・です。
そのような患者さんには私から質問をなげかけます。
なんでずっと通ってるの?
手術して痔を治したんだよね?
何のための通院なの?
と。
この質問だけでハッとする患者さんも多いです。
ちゃんと考えて欲しい。
人任せにせずに。
だって自分のカラダ(おしり)のことだから。
通院する度に毎回
こんな軟膏とか↓↓
こんな痔の飲み薬とか↓↓
これはセンナという下剤入りですよ↓↓
これはダイエットやむくみ取りとしてサプリメントにも使われているメリロートが入っています↓↓
人によったら便がゆるくなったり、利尿作用が強いためオシッコが出過ぎてミネラルバランスを崩すこともあり注意が必要です。
これは下剤も入ってないから比較的安全だけど、痛みが無くなったら飲む必要ないですね↓↓
こういった薬を出してもらって、ずーっと使ってるの。
毎日。
何年も。。。😱😱😱
「この注入軟膏、ステロイド入ってますよ。」
と言うと
「えーっ⁉そうなんですか⁉😱」
とビックリ仰天する人がいたり、突然、副作用のことを心配し始める人もいる。
いやいや。
違うでしょ。
気持ちは分かるけど、自分のカラダに使う薬だもの。
ちゃんと内容を確かめましょうよ。
だってほら、お薬手帳にも書いてるでしょ?
そこには薬の成分も副作用もちゃんと記載されてますよ。
分からなかったら先生に尋ねましょうね。
手術で痔が治ったら通院は終わる
どんな治療にせよ、痔が治ったら通院は終わります。
特に手術はそうです。
よく考えてみて下さい。
何のために手術を受けるのですか?
痔を治すためですよね?
痔を治したら通院は必要無くなるんですよ。
通院を無くすために手術したんじゃないの❓❓
大阪肛門科診療所では入院手術だと1か月くらい、日帰り手術だと2か月くらいで術後の通院が終わります。
傷が完全に治るまでは週に1回通ってもらっています。
完治した時に
「もう傷、完全に治ってますね!今日で通院終わりです!😊」
って言うと、患者さんは喜びます。
中には
「えっ?来週から来なくてもいいの?毎週来てたのに・・・寂しいです。。。😢」
と残念そうに言われる患者さんも実は多いです😅
そんなこと言われると嬉しいですね。
でも痔が治ってるのに、もう痔じゃないのに、診察に来てもらう必要はないんですよ。
もちろん治療のために使っていた薬も終了です。
そもそも痔の注入軟膏なんて術後2〜3週間くらいしか使っていません。
抗生物質も3日間で飲みきり終了です。
セカンドオピニオンの患者さんの薬を見てビックリすることだらけ。😱
うちの診療所では手術の患者さんにすら2〜3週間しか出さないようなステロイド含有の注入軟膏を、毎日何年も使っていることに驚きます。
手術で痔を治した患者さんは1〜2か月もしたら通って来なくなります。
それが普通だと思っていました。
だけどセカンドオピニオンで来られる患者さんが、手術を受けてから1年以上たってるのに、まだ2週間に1回くらいずーっと通い続けて痔の薬を使っているのを見て、肛門科的に普通の医療が行われていない実態にショックを受けました。
このような患者さんが多いから「痔は手術しても治らない」という誤った情報が流布してしまうのでしょう。
とても悲しいことです。
だってちゃんと手術したら痔は治るし、治ったら病院に通う必要は無くなるのです。
肛門を専門にしている先生から手術を受けた患者さんは「治ったのでもう来なくてもいいですよ」と言われて通院を終了しておられますから。
私たちの仕事って
「もう来なくてもいいよ」
って言ってあげることだと思うのです。
そう言ってあげられるようにもっていくのが肛門科医の仕事だと思います。
手術しても便秘は治らない
手術すれば痔は治ります。
(肛門専門の医師にしてもらって下さいね。)
でも手術しても便秘は治りません。
手術で治せるのは痔だけです。
その大きな「でっぱり」のせいで便が出にくかったわけでも、痛みのせいで便が出し切れなかったわけでもなく、元々便通が悪いから痔になったのですよ。
だから手術しても便通は治りません。
痔の原因となった便通や排泄を正さなければ、また痔になってしまいます。
だから本当の根本治療は便通を治すことなんです。
大阪肛門科診療所では便通を治すことに重きを置いた治療をしています。
手術を受ける受けない関係なく・・・です。
手術は別に受けなくてもいいから便通だけは治してね!
って最初に患者さんに言います。
手術だけ受けて便通を治さなければまた痔になるからです。
そうならないためにも便通治療は必須です。
だから手術の傷が治って術後の通院が終了したあとも、便通の管理は患者さんの生活の中でずっと続けてもらいます。
ちゃんと自己管理出来るようにもっていってから手術を受けてもらっているので、そこはバッチリ皆さん出来ています✌
たまにサボると痛いしっぺ返しが来ることもありますが、これも経験です。
自分のお尻でもって学習してもらっています😓
手術の傷が完全に治ったあと、術後検診という形で数ヶ月後に3回来てもらっています。
3か月検診、6か月検診、1年検診です。
そのあとは年に1回、お尻健診に来られている人が多いですね。
痔は治ってるので治療のための通院ではなく、健診のための通院です。
年に1回なので遠方の人も旅行を兼ねて来られていますね。
また痔にならないために治したあとの便通の管理こそ大切!
手術したのに痔が治ってないケース
せっかく痛い思いをして痔の手術を受けたのに、全然痔が治ってないケースも残念ながらあります。。。😢
専門外の先生に手術を受けられた患者さんがほとんどです。
いぼ痔(痔核・脱肛)の手術を受けたのに、どこをどう手術したのか分からないくらい立派な脱肛
切れ痔(裂肛)の手術を受けたのに奥に大きな肛門ポリープがあって切れ痔が全然治ってないケース
肛門を広げる手術を受けたのに全然広がってない肛門狭窄
何度も手術を受けたのに出続ける膿が止まらない痔瘻
などなど、本当にたくさんあります。
特に痔瘻の手術は再発との戦いとなるため、専門外の先生だと難しいと思います。
「これで手術5回目です。もうこれで終わりにしたいです。終わりしようと思ってここに来ました。」と言われた痔瘻の患者さんがおられましたが、過去に受けた手術は全て専門外の医師によるものでした。
手術は見よう見まねで出来るものでも、教科書や有名な先生の手術ビデオを見たから出来るわけでもなく、ちゃんと肛門診療のトレーニングを受けなければ適切に正しく手術は出来ないと思います。
だから手術受けるなら是非、専門の先生を選んで受けてほしい。
結果は全然違ったものになると思うので・・・。
専門の先生の探し方はコチラのブログを読んで調べて下さい↓↓
あなたの近くにもきっと居るはずです。
痔が治ったら痔の薬も通院もいらない
痔が治ったら今まで使っていた注入軟膏も痔の飲み薬も必要ないんですよ。
意味もなく、ただ何となく、ダラダラ使い続けるのはやめましょうね。
ステロイドが入っている薬を使い続けると副作用が出て来ます。
また飲み薬も同じです。
腸の中を黒くする成分が入った漢方薬や痔の薬もありますから常用は避けて下さいね。
痛みや出血、腫れなどの症状が何もないのであれば薬は不要です。
ずっと症状が続いているのであればちゃんと治しましょうよ。
そして治したあとは痛くならないように、出血しないように、腫れないように、オシリに負担をかけない生活と便通を心がけて下さいね。
痔が治ったあとも便通の管理は続きます。
どう管理すればいいのかアドバイスするのが私たちの仕事。
管理がうまく行っていれば診察を受ける必要はありません。
うまく行っていない時、心配事がある時、困ったことが起こった時などに受診されたらいいのです。
私の外来に定期的に通院されている患者さんはパターンが決まっています。
肛門が狭くて診察で広げに来ているケース
ほぼこれだけでしょうか😓
通院のペースも患者さんによって様々です。
最初は月に1回くらい来てもらって、肛門が広がってきたら2か月、3か月、4か月と間隔があいていきます。
調子が良くなったら半年に1回とか年に1回になります。
肛門の狭さによって、患者さんの調子によって通院の頻度も異なりますが、2週間に1回という頻度で何年も通院している人は皆無ですね。
あり得ないし考えられないです😣💦
ほとんどの患者さんが2〜3回の通院で治療が終了し、そのあとは年に1回の「お尻健診」で痔が治ったけど受診している人が多いです。
痔で通院じゃなくて健診で通院という、ちょっと変わった肛門科かもしれません😓
ずーっと痔で肛門科(と書いているクリニック)に頻繁に通い続けている人、早く痔を治して通院を終わらせましょうね。
ちゃんと専門の先生にかかったら通院が終わるはずですよ。
是非、まじめに良心的に肛門科のことをやっている先生を探してみて下さい。
あなたの近くにもきっといるはずですから。
昔、Amebaブログ「みのり先生の診察室」で毒のある記事を書きました↓😓
興味ある人は読んで下さい↓😎
(リンクを貼っていませんので、Amebaブログ「みのり先生の診察室」内で記事検索をしてお読み下さい🙏)
治らずにずっと通ってくれる方が医療機関は儲かる
混んでいる肛門科は要注意?!
「行列が出来る肛門科なんですよ〜。治らないから(笑)」
見えないところでどれだけ誠実に仕事ができるか
診療所のセラピードッグ「ラブ」🐾
ラブはしつけ教室が終了しても
ずっと犬のようちえんに通っています🐶
だって大好きだもんね😊💕
元皮膚科医という異色の経歴を持つ肛門科専門医。現在でも肛門科専門医の資格を持つ女性医師は20名余り。その中で指導医の資格まで持ち、第一線で手術まで担当する女医は10名足らず。元皮膚科医という異色の経歴を持つため、肛門周囲の皮膚疾患の治療も得意とし、肛門外科の医師を対象に肛門周囲の皮膚病変についての学会での講演も多数あり。
「痔=手術」という肛門医療業界において、痔の原因となった「肛門の便秘」を直すことによって「切らない痔治療」を実現。自由診療にもかかわらず日本全国や海外からも患者が訪れている。大阪肛門科診療所(旧大阪肛門病院)は明治45年創立の日本で2番目に古い肛門科専門施設でもあり日本大腸肛門病学会認定施設。初代院長の佐々木惟朝は同学会の設立者の一人である。
2017年10月には日本臨床内科医学会において教育講演を行うなど新しい便秘の概念を提唱。