学生で大阪まで行けません・・という遠方の方からのご相談
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自分では信心深いつもりでいる院長の佐々木巌です。
手術の終わり際には手を合わせるのを忘れません。
「痛みませんように・・」と念じます。
若い頃からそうやって手術の神様に手を合わせて、たくさん教えていただいたと思います。
信じていると手術の神様は色々教えてくれます。
神の啓示がある訳じゃないですよ、私が経験したことを通じて教えてもらっているのです。
今風に言うと、謙虚な気持ちでいることが学ぶ者の基本だということになるのでしょうか。
ま、私は手術の神様という方が近いと思っています。
最近は、診察の終わり際にもしばしば手を合わせます。
神頼みばっかりかい!と言われそうですけど、結構本気です(笑)
不安です・・というメール
今回も遠方の女性からご質問を頂きました。ご紹介します。
初めまして。
突然のメッセージを申し訳ありません。
こちらでは診断等は一切行っていないと伺っております。もちろん返信が頂けるとは思っていませんが、どうしてもお話だけしておきたく、問い合わせさせていただきました。。
現在23歳です。
今年の正月に生まれて初めて切れ痔になってしまい、それまで毎日が何も滞りなく便秘すらしなかったのに、1度大きく切れて地元の病院では、四ミリほど裂けてると診断を受けました。
それからボラザG軟膏と乙字湯を処方され現在も服用してます。
七ヶ月たった今、いまだに生理前等に切れる時があり、今月からはマグミットを処方されました。
しかし、一向に完治しないことに不安を感じ、これから出産とかもあると思うと毎日が不安で不安で、憂鬱です。
ネットで検索すると、私の症状はまさに出残り便秘の症状でした。
毎日薬で緩く便を出しているのですが、気づけば少し硬いだけで切れてしまい、毎日怯えています。
こちらの病院が検索するたびに出てきて、ぜひ受診したいと思ってました。
しかし、学生のためまだ自力で大阪まで行くことも出来ず、あと何年かかるんだろうと、毎日を過ごしています。
大阪肛門科では特別な治療がされてるのでしょうか?
このまま地元の病院で完治する日は来るのでしょうか。
毎日が不安でたまりません。
自分なりに水分をとったり、動くなりしていますがよくなっている実感がありません。
病院に行かなくても薬を使わなくても切れ痔は直せるのでしょうか。。
薬を頼らずに毎日出てた昔に戻りたいです。
慢性な便秘でもないのに薬を飲むのが怖いです。
いつか、何年後かみのり先生の元へ行けることを祈っています。それまでに悪化しなければと願います。
お忙しいところ申し訳ありません。みなさん悩んでいるのに、ズルをしているようです。
目を通して頂けるだけで私は有り難いです。
長文失礼しました。
お返事
こちらでは診断等は一切行っていないと伺っております。
はい、その通りですので推測のみでお返事を試みます。
今年の正月に生まれて初めて切れ痔になってしまい、それまで毎日が何も滞りなく便秘すらしなかったのに、
ご自身では何も不便を感じていなくても実は出残り便秘であった、気付いていなかった・・・と言うケースをたくさん経験しています。
これまでは肛門の能力の範囲内で対処できたけれど今回は能力を超えてしまった、という解釈をします。
1度大きく切れて地元の病院では、四ミリほど裂けてると診断を受けました。
大きさまで言っていただけてイメージしやすいです。
が、実は裂肛で一番の問題はキズの深さなんです。
これはちょっと専門的になります。
それからボラザG軟膏と乙字湯を処方され七ヶ月たった今、いまだに生理前等に切れる時があり、今月からはマグミットを処方されました。
一般的な処方です。
これで治るのならこれが一番手軽で良いです。
なお、生理前に便が硬くなるのは女性ではよく見られる排便パターンです。
その時期だけ下剤の量を調節したりします。
ネットで検索すると、私の症状はまさに出残り便秘の症状でした。
毎日薬で緩く便を出しているのですが、気づけば少し硬いだけで切れてしまい、毎日怯えています。
あなたには「少し硬いだけ」でも肛門にとっては結構な硬さだと考えてください。
あなたが肛門の気持ちに無頓着なだけ。
あなたは加害者、おしりは被害者なのです。
決してあなたが被害者面をしないように(笑)
学生のためまだ自力で大阪まで行くことも出来ず、
学生さんの患者さんもおられますが、例外なく保護者の方の援助を受けておられます。
大阪肛門科では特別な治療がされてるのでしょうか?
出残り便秘というのは当院独自の考え方であり、標準治療ではありません。
治療の内容も標準治療とは異なり、特殊です。
このまま地元の病院で完治する日は来るのでしょうか。
毎日が不安でたまりません。
やるからには希望を持って、信じてやる方が効果も高いと思います。
以前に知り合いのお坊さんに「奇跡っていうのは信じている人にしか起こらない」と言われたことがあります。
半信半疑じゃ奇跡は起こらないっていうことです。
もし今、治療を受けておられるのならもう一度信じてやってみてください。
どうせやるなら信じてみましょう。
その結果よくなってくれれば、それが一番です。
例えば、こういった苦痛や不安を親御さんに相談するにしても、まずは今の治療を信じてやってみることが必要だと思います。
それが親御さんに対する礼儀だと思います。
みなさん悩んでいるのに、ズルをしているようです。
だから、みのり先生じゃなくて私が返事しています(笑)。
あと、皆さんにお返事を共有してあげてください。
不安に思っている方はたくさんおられます。
あなたの質問のおかげで誰かがラクになるのならズルではありませんよね。
今回は不安に思っている皆さんを代表してご質問していただいたと思っています。
どうせやるなら、信じてみては?
患者さんのご希望がかなうかどうか、厳しい状況にあっても、私はいつも「どうせやるなら希望を持ってやりましょう」と申し上げます。
先ほど書きましたが「奇跡は信じる人にしか起こらない」からです。
信じられる治療に出会えることを祈ります。
大阪肛門科診療所 院長。 平成7年大阪医科大学卒業。大学5年生の在学中に先代の院長であった父が急逝(当時の名称は大阪肛門病院)。大学卒業後は肛門科に特化した研修を受けるため、当時の標準コースであった医局には入局せず、社会保険中央総合病院(現 東京山手メディカルセンター)大腸肛門病センターに勤務。隅越幸男先生、岩垂純一先生、佐原力三郎先生の下で3年間勤務、研修。平成10年、院長不在の大阪肛門病院を任されていた亡父親友の田井陽先生が体調不良となったため社会保険中央総合病院を退職し、大阪肛門病院を継承。平成14年より増田芳夫先生に師事。平成19年組織変更により大阪肛門科診療所と改称し、現在に至る。