血豆(=血栓)が肛門の周囲にたくさんできて肛門が大きく腫れ上がる病気で、血栓性外痔核の大規模なもの、とも言えます。小さくてもピンポン球大、大きければゲンコツ大にもなるため、痛みも血栓性外痔核より強く、激痛と表現する患者さんが多いです。手術しなくても2〜3週間で自然に痛みは良くなる病気です(腫れが引くのにはもっと時間がかかります)が、痛みが強いため早くラクになりたいと手術を希望する方も少なくありません。

それまで無症状だった人にも突然起こりますが、元来脱肛を放置していた人に多く発生する傾向があり、手術希望が多いのはそれも一因だと思われます。「前から気になっていたので、これを機会に手術しよう」と踏み切るわけです。(注1)このように「駆け込み緊急手術」となることが多い痔疾患ですが、妊娠中は手術はしません。出産が終わるまで頑張ってもらいます。2週間ほどすれば随分、腫れも痛みも落ち着くことが多いのです。

さて、嵌頓痔核の原因ですが、血栓性外痔核と同様でうっ血とされ、一般的には立ちっぱなし・座りっぱなし・冷え、過度のいきみなどがきっかけとされていますが、当院では出残り便秘®(注2)により直腸に残った便が主要な原因と考えています。従って手術を希望しない患者さんには排便の治療をお勧めするのですが、劇的な効果が得られることは残念ながらまれで、激痛を少し和らげたり、自然に治ろうとするのをそっと手助けするという程度の効果になります。

詳細は以下のリンクをご覧ください。
> 嵌頓痔核について

(注1)これを根拠に「痔核を放っておいたら嵌頓痔核になる。だから痔核の早期手術をするべき」という意見がありますが、当院は反対です。痔の早期手術や予防的手術は厳に慎むべき、というのが当院の見解です。痔核の早期治療は手術ではなく便通の治療の方が適切だと考えています。
(注2)出残り便秘®は病状説明のため考案した当院の造語であり、医学用語ではありません。他の医療機関では通用しませんのでご注意ください。
> 出残り便秘®・鈍感便秘®について

大阪肛門科診療所