痔の原因となった排泄習慣を正すための正解探しを患者さんと一緒にすることが私たちの治療

(2018年9月6日加筆修正)

実は実家がボットン便所だった大阪肛門科診療所の女医 佐々木みのりです。

大阪肛門科診療所は自由診療です。
保険が効きません。

だから・・・保険診療とはちょっと違った治療をしています。

痔の標準治療だと、痔疾薬(ボラザG軟膏など)やヘモレックスなどの内服薬、マグミットやマグラックス等の緩下剤などを処方することが多いと思います。

でも私たちは、そういった薬をほとんど使いません。

その患者さんが痔になった原因である排泄習慣を突き止め、それを改めてもらうことを主眼に置いた治療をしています。

治療・・・というよりも生活習慣改善のアドバイスをしてるだけなのかもしれません。

だって治療は患者さんの日々のトイレ生活の中にありますから。

そういった意味では治療するのは患者さん自身なんですよね。

切れ痔に対しても、炎症が強く痛みがひどいケースにはボラザG軟膏や強力ポステリザン軟膏などの注入軟膏を出しますが、ほとんどの患者さんが大阪肛門科診療所手作り軟膏「Sザルベ」で治ってしまいます。

これ、ただの保湿剤です。

ワセリンとミツロウを鍋で低温で、じっくりゆっくり煮込んで溶かして作った、ただの軟膏です。

薬の成分は何も入ってません。

私はハンドクリームに使ったり、お風呂上がりに足に塗っています♪

ゴワゴワと硬くなった角質に塗ると、つるん☆としたキレイな皮膚になるんですよ♡

アトピー性皮膚炎の患者さんが皮膚科の薬よりも効くからと、ずっとこれだけ取りに来られている人もいます😓

この「薬ではない軟膏」で切れ痔も治ってしまうんです。

便通を直せば痔の薬も要らないんだ〜

と患者さんもビックリされますが、本当に薬、必要無いことが多いですね。

ただ痔の原因となった便通を直す過程は患者さん一人一人違います。

すんなり治る人
なかなか治らない人
治療自体を受け入れられない人

色々です。

悪戦苦闘しながらでも、便通を直すと痔は本当に良くなっていきます。

スタッフが感激して診察中に私の所まで持ってきてくれました。

ありがとうございます。
本当に嬉しいです。

今後の患者さんのためにもブログに掲載させていただきますね。

切れ痔(裂肛)で長年苦しんできた40代女性

2017.5.22日受診

22年前と15年前に出産後、裂肛をおこして長引き、以来、

裂肛→病院でボラザと便を柔らかくする薬を服用する

を繰り返してきました。

硬いから切れる→柔らかい便にしないと→薬を服用→でも切れる→肛門が狭くなってる

と思っていました。

実際にそれまでかかった病院でも「もっとふわっと広がるといいんですけどね」と言われたり手術の話が出たりしました。

一番最初に裂肛をおこした時、行った病院で「1週間で治らなければ手術」と言われたショックが大きく影響し、早く治さないと大変なことになる!と、以来、裂肛を起こすたびに不安と恐怖で、

焦って薬を飲む→便が柔らかく出るとホッとする、

というパターンでした。

今回、自分でもかなり傷が深いと感じ、恐怖と不安で必死でマグミットを飲み、ボラザを入れ続けました。

傷が治まってきて、ホッとするかと思った頃に、便が細いこと、出にくい、少ししか出ないようになり、いよいよ肛門が狭くなったと頭の中が真っ白になりました。

それまで通っていた病院にもこわくて行けない、ネットで情報を仕入れるほど、こわくなり、うつ状態になりかけていました。

でも、またいてもたってもいられず、あれこれ調べてしまう。

そんな時に、みのり先生のブログを知り、かくれ便秘を読んだ時、自分もそうだと思いました。

大阪と言うことで迷いましたが、思い切って予約。

診察日まで緊張して、こわくて、おかしくなりそうでした。

友達に大阪まで付き添ってもらい受診。

便がたまっていると言われて、やはりそうかと、そこまでは予想通りでしたが、便が柔らかく、粘い、と言われたことにビックリしました。

便が硬い(だから切れる)と思い込んで、マグミットを飲んでいたからです。

それでも切れるから、肛門が狭いと思い込んでいた。

でも診察では「広さは充分あります」と言われ、さらに覚悟していた「手術」も必要ないとのことで、うれしさで思わず泣きました。

今まで、数カ所の病院で言われてきたことは何だったんだろう。

しかも、軟便だなんて、思いもしないことでした。

さらにマグミットが便を粘らせることも知らず。

みのり先生は小柄でパワフル、てきぱきと処置されて、でも指を入れられた時も、肛門鏡も痛くなくて、ブログで書かれてた通りだと感じました。

便が柔らかくて粘かったため「フン詰まりですわ」と言われながら指でほぐされた時は、(いい年して、肛門の便ほぐされて、何してんだ私)と、情けない思いでしたが、人の肛門に指を入れて、汚い便をほぐさないといけない先生の方が大変だったよなとあとで思いました。

裂肛のこと、坐薬のこと、残っている便のことなど、坐薬が効くのを待っている間にてきぱきと説明してくださいました。

私はブログを読んでいたので、大体は分かりましたが、初めての人は一気に理解するのが難しいかもと少し思いました。

予約をした時の受付の方が、最後に「リラックスしてお越し下さいね」と言って頂いたときは本当に嬉しかったですし、先生の手慣れた様子(でも決して乱暴ではなく)かつ、てきぱきと質問に答えて頂けて信頼できる方だなと思いました。

決して、せかされるようなことはなかったのですが、途中から(あ、扉の外で看護師さんが待ってる、そろそろ切り上げないといけないかな)と勝手に気になってしまいました。

ラブちゃんは本当におとなしく、かわいかったです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
2017.5.24日(水)

診察の翌日、坐薬を入れてもガスしか出ず、次の日は、ほとんど便意がなく、坐薬を入れていきんでも出にくく、細いわずかな便しか出ない(何度もいきむので、まだ切れているところも痛い)ので、不安で電話をしました。

先生が直接、電話に出て答えていただけたので、少し安心しました。

嬉しかったです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

が、翌日の夕方、坐薬を入れた後、大量に便が出たのですが、その時にまた切れた痛みがあり、ペーパーと便に血が付いていてショックでした。

受診以来、ほとんどと言っていいくらい、自然な便意がこないこともショックで、坐薬も何回使っても大丈夫と言われるのですが(クセになったりの心配がない点は分かるのですが)何回もいきまないといけないのもしんどく、細めの便が少ししか出ないので、このままで大丈夫なんだろうか?坐薬もどのくらいの頻度で入れればいいのか迷うことも多く、再診までの2週間がとても長く、不安に感じます。(たぶん遠方なので、よけいにそう感じるのかもしれません)

ブログを先に読んでいたので、勝手に「すぐにいい便通が来るようになって2週間で良くなる」と思っていたところがあり、一定しない便通に混乱しています。

自分でもノイローゼかなと思うくらい、気にしすぎているので、それが便通にも影響しているのかなと感じています。(坐薬を入れて待つ間はドキドキしますし、どんな便が出るのか、スッキリ出てくれるのか、など、不安で食事も食べたいものより何を食べたらいい便が出るかばかり考えてしまいます)

せっかく先生に肛門も狭くない、手術もいらない、と嬉しい診断をいただけたのに、こんなに毎回いきんでて大丈夫なのかな?逆にいぼ痔になったりしないのだろうかと不安に思ってしまう自分がいます。(切れているところも少し、しみるような痛みがまだあります)

一方で、たしかに出したあとは肛門をキュッと引き締めたときに、肛門が軽い(?)感じがします。

あと、おならの頻度も少なくなり(食後には多い)、臭いが強かったのに、今はほとんど匂いません。

前は水分をとると、すぐにおしっこに行きたくなっていましたが、今は回数が減りました。

その割りにトイレに行くと、まとまった量が出ます。

もしかして、今まで肛門周辺にたまってた便のせいで、膀胱もおしっこをたくさん溜められなかったのかも?と思ったりしました。

またマグミットを飲まなくても大丈夫なことも不思議な感じです。(逆に細くて出にくいですが・・・)

(私の症状説明が主になってしまいました。すみません(汗))

追伸

先日、ブログで先生が肛門科のドクターは日陰者と書かれているのを読みました。

とんでもないです。

なくてはならない存在です。

病院名を入れない、名前ではなく番号で呼ぶ、といったご配慮に対してすごくありがたく思う一方で、逆にもっと肛門科がオープンになってくれたらいいのにという思いがあります。

欧米では肛門科に行くのに、ためらいや恥じらいがないため、手術率がすごく低いと聞いたことがあります。

信頼して安心して行ける病院がもっと分かりやすく、オープンになり、「ちょっとおしりの調子が良くないんだよね」と話した時に「○○っていう所がいいよ」と普段の会話の中で話せるような、そんな感じになってくれるといいなと思います。

そして、もっと気軽に、ドクターも患者も声をかけ合えるような「調子どうですか?」「いいですよ。ありがとうございます」「あー、また行こうと思ってるところなんでお願いします」みたいな会話ができるような・・・

みんなが恥ずかしいと思ってるから恥ずかしいことだと思ってるかも。

だけど、本当に恥ずかしいことなのかな?

私もずっとそう思っていたけど、今回、他の人にも話したら意外に同じように悩んでたり、症状があったりしてました。

大事なことだから、もっとオープンにできて、正確な情報が耳に入ることができるようになってほしいと思いました。

結果はすぐに出ないです。まずは2週間やってみる

ブログや患者さんの体験談を読んで、受診したらすぐに良くなる、翌日から治る・・・と期待する人もおられるのですが、痔の症状は翌日に改善することはあっても、便秘が1日で治ることはまずないですね。

便秘は長年の生活の結果です。

ヘタしたら10年、20年、便を溜めて生きてきているかもしれないのに、1日で、あるいは2〜3週間で便秘が治ることは・・・難しいです。。。

また切れ痔(裂肛)やいぼ痔(痔核・脱肛)も、直ちに良くなるのではなく、徐々に時間をかけて良くなっていきます。

受診した翌日に痛いから、出血したからって心配する必要はありません。

もちろん本当に心配ならお電話していただいてもいいんですよ。

でも慌てず焦らず、まずは2週間、とにかくやってみてください。

うまくいかないこと、思い通りに結果が出ないこともあるでしょう。

昨日より今日の方が痛い…>_<…

昨日まで出血が止まってたのに、また今日、出血した😰

と、まるで後退したかのように感じることもあるでしょう。

それでも・・・
2週間、やってみて欲しいのです。

2週間後に受診して頂いて、治っていなければ、その時にまた治療を考え直します。

切れ痔(裂肛)の傷が治るまでは、痛いし出血することもあるでしょう。

でも傷が治れば痛みも出血も無くなります。

比較的新しくて浅い傷であれば数日で治りますが、何ヶ月も前からある、炎症を起こした古い傷は、治るのにも時間がかかります。

すぐに結果を求めず2週間待って欲しいのです。

私たちの治療は患者さんと一緒に正解探しをするようなもの。

一発で正解が見つかればいいんですが、あれこれやって、やっと見つかった!ということもあります。

どうか焦らず、すぐに結果を求めず、一緒に付き合ってもらえると嬉しいです。

2週間後の診察の時には、ほとんどの患者さんが完治終了する

この患者さんも、結局、2週間後の診察に来られた時には切れ痔(裂肛)は治ってました😓

2回目の受診で完治終了です。

「えっ?!もう今日で終わりですか?」

とあっけにとられる患者さんが多いです。

だって、今まで何年も治らずに悩んでおられたし、ずーっと通院を続けてきた人も多いですから。。。

たった2週間で治っていることも信じられないし、もう通院がいらないことも考えられない・・・

お尻は治ってるのに心が不安・・・という患者さんもおられます。

まだ自分のお尻に自信が持てないんですよね。

心配ならいつでも受診してくださったらいいんです。

でも、治った患者さんは私の手を離れます。

痔が治ってるのに、痔じゃないのに通院する必要ないですよね?

だから年に1回、「お尻健診」に来て頂いています。

何も困ったことがない患者さんは次の受診が1年後となります。

その受診も痔になったから受診じゃなくて、痔じゃないけどお尻チェックのために来られています。

切れ痔(裂肛)は治っても便秘は治ってないんですよ

長年悩んでいた切れ痔が治った〜

で、治療終了なんですけど、

切れ痔(裂肛)は完治しましたが、出口の便秘(出残り便秘®)は治ってません。

だから便秘の治療、便通の管理は通院が終わってもずっと続けてもらわなければなりません。

それは患者さんの生活の中で続けてもらうことなんです。

通院してやることではありません。

虫歯と同じです。

虫歯の治療が終わったら歯医者さんに通いませんよね?

でも虫歯が治ったからって歯磨きをやめませんよね?

毎日、歯を磨いたり、うがいをしたり、口腔ケアは続けますよね?

それと同じです。

皆さん、口のケアは毎日やってるのに、出口(肛門)のケアは全くしてないんです。

ちゃんと便を出しましょうよ。
スッキリ全部出し切って下さいね。

歯磨きが習慣になっているように、排泄ケアも習慣にしてくださいね!

意外に多い「肛門ノイローゼ」

痔や肛門の悩みは患者さんの心を蝕みます。

痔を患う年数が長ければ長いほど、その傾向が強くなります。

便通を直さなければ痔はどんどん悪化していくので、長年患っている間に、症状がひどくなっていきます。

その間、患者さん自身も便通に良かれと思って自分なりの努力をたくさんしているので、

こんなに頑張ってるのに、
こんなに気を付けてるのになぜ?

と、結果が伴わないことに、痔が悪化することに恐怖を覚え、どんどん自分が信じられなくなっていくのです。

毎日の排便が恐怖になってくると生活に支障を来し、人生に暗い影を落とします。

お尻のせいで人生が暗くなっている人も多いです。

痔の治療で人生が変わった!

と言われることも多いです。

それくらい痔って、命に関わる病気じゃないけど、本当に患者さんにとったら一大事なんだと思いました。。。

お尻の治療を通して心のトラウマも解放されることを願っています。

手術が必要な痔は本当に少ない

欧米では肛門科を受診するためらいや恥じらいがないから手術率が低いんですね。

それは私も知りませんでした。

でも、それはためらいや恥じらいがないからではなく、手術適応の基準が違うからかもしれません。

大阪肛門科診療所には他の施設で手術と診断された患者さんがたくさん来られていますが、その中で手術が必要な人は本当に少ないです。

中には痔ではなかったケースもあります(苦笑)

ほとんどが専門外の医師にかかっておられました。

だからちゃんと専門の先生にかかってほしいです。

あなたの近くにもきっといるはずです。

肛門科の専門医の探し方はコチラのブログを参考にしてみてください↓

肛門科専門医の探し方・選び方〜期待外れにならないために〜

説明用紙は何度も読み返して下さいね

診察の時にお渡ししている説明用紙。

私が説明のときに線を引いた部分だけじゃなく、じっくり全部読んで欲しいのです。

限られた診察時間内で、できるだけ分かりやすく、全部説明しようとしていますが、その場で理解するのは難しいかもしれません。

しかも衝撃の内容ばかりなので、頭も心もパニックになってることでしょう。

だから家に帰ってから落ち着いて隅から隅まで読んで欲しいのです。

きっと理解が深まることでしょう。

今、待合室で流す説明ビデオを作ろうかと計画中です。

楽しみに待ってて下さいね♪


診療所のセラピードッグ「ラブ」🐾
フードの誘惑にも負けず指示に従います🐶

,
1 いいね 2 件のいいね
Loading...
  • このエントリーをはてなブックマークに追加