「私のことをブログに書いて下さい!」と言われた遠方の患者さん

関西の女性医師の中で初めて肛門科専門医を取得した女医 大阪肛門科診療所の佐々木みのりです。

いつも初診の患者さんにお渡ししているアンケート用紙。

アンケートと言っても質問に答える方式ではなく、自由に診察や治療の感想や苦情などを書いて頂いています。

普通なら面倒くさいし、時間かかるし、労力も使うし、なかなかちゃんと書く気にならないと思うのですが、

うちの患者さんたち、本当にたくさん書いて下さいます。

しかもその中身は、今までの辛かった体験、感情の吐露、私たちへの感謝、そして痔で悩める人へのメッセージ・・・

書いたアンケートをわざわざ郵送して下さる遠方の患者さんが結構おられるんです。

なんて有り難いんでしょう。。。

本当に感謝です。

あなたから頂いたメッセージは、私も院長もスタッフ全員、目を通していますよ。

どれだけ励まして頂いたか分かりません。

ありがとうございますm(_ _)m

今回ご紹介する患者さんも遠方の患者さんです。

わざわざアンケートを郵送して下さいました。

字が汚いからと家でPCで打って、まるでレポートのようにして送ってくださったんです!

感激です!

しかも、再診で来られた時に是非とも自分が書いたものをブログで書いて欲しいと直接お願いされました。

いやいや。。。

お願いするのはこっちの方でしょ(苦笑)

患者さんにお願いして掲載させてもらっているのですよ。

逆にお願いされるなんて・・・

本当に有り難く嬉しいお願いで、喜んで掲載させて頂きますね!!

痔の手術を数回受けたのに痔を繰り返している50代の痔核・裂肛の女性

昨日みのり先生に診察していただきました。

その節はありがとうございました。

色々書きたいことがあるのと、字が汚いのでパソコンで打たせていただきました。

私は、長年痔で悩まされていました。

思えば子供の頃から便秘症でした。

痔の症状が初めて出たのは大学生の時でした。

それからも時々出血したりしていましたが、なんとなくやり過ごし、結婚・出産後、30代の頃が一番酷い状態だったかと思います。

日帰り手術を数回しましたが、また繰り返す・・・そんな日々でした。

それでも騙し騙しこの年まで(50代)来ましたが、相変わらずでした。

今まで複数の病院にお世話になりましたが、どうもピンと来ず・・・

一般的に痔になる原因と言われているものにも人一倍気を付けてきましたし、それでも繰り返すのは何でだろう・・・とずっと疑問に思っていました。

最近も出血があったので、スマホで「痔になる人とならない人の違い」のような検索をしていたところ、みのり先生のブログに出会いました!

そこに書かれていたことを読んで、初めてこれだ!!と思いました。

私は・・・まさに「出口の便秘」でした。

毎日便は出ていましたが、いつも残便感がありました。

その自覚はありました。

ただ、だからといってどうしたらいいかもわからずそのままでした。

今までのお医者さんは詳しい説明を何もなく、尋ねたとしても自分が納得いくような説明ではなかったように思います。

いつも悶々とした感じで・・・

しかも、他の人に気軽に相談できる内容でもなかったので、ずーっと一人で悩み続けていました。

ですが、みのり先生のブログのお陰で、まさに私はコレだ!!と確信が持てました。

でも・・・

ではどうやったらそれを改善できるか・・・

そこまでは書かれていなかったし、個人個人で違うのだろうとも思いました。

それなら、みのり先生に診ていただくしかない!そう思いました。

ですが、私は広島在住で大阪は少し遠いし、やはり自由診療というところも正直なところネックではありました。

数日間ものすごく悩みました。

でも・・・

このままではいいはずがない、

これからどんどん年を取っていって、
ただでさえ色々な機能が衰えていく中、

このお尻の状態では老後も心配・・・
お金にはかえられない・・・

そう思い、診察を決意しました。

見知らぬ大阪に行くことも不安でしたが、なんとか勇気を振り絞って行きました。

診察の結果、やはり「出口の便秘」でした。

毎日、坐薬を使って残った便を出す、出し切る・・・そう教わりました。

「明日からは自分でするのよ!」と先生に言われ、うまくできるかどうかとても不安でした。

でも・・・自分のいい加減な排便の習慣の結果だしお尻に向き合ってこなかったせいなので、これからは頑張って便通の習慣を直していこうと思います。

まず初日(今日)・・・

不慣れながら自分で坐薬を入れ頑張ってみました。

いま一つだったかもしれません・・・

もう一度しましたから・・・。

少しずつ慣れて、自分でうまくできるようにならなければなと思います。

そして、いつの日か坐薬に頼らなくても自分の力でうまく排便ができるようになればいいなと思います。

それと・・・

私は完全に温水便座依存症でした。

温水便座のないトイレでは排泄はできない習慣になっていました。

そんなものが全くない時代に生まれ育ったにも関わらず、いつの間にか依存症にまでなっていました。

綺麗に拭き取れないから温水便座に頼り、綺麗にしていたつもりが痔を悪化させていたとは・・・驚きでした。

「一切やめなさい」と先生にも看護師さんにも言われ、泣く泣く温水便座にさよならをすることにしました。

まだ便通が改善されていないので、どうも不安ですが、先生の仰るとおりにして、早く今の状態から自然なお尻の状態に戻していこうと思います。

これからまた、お世話になると思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

他に気を付けることは特にない・・・とのことでしたが、ストレッチや体操等で「出口の便秘」の改善に役立つものがあるようでしたがお教えください。

そのための努力はしていこうと思っています。

長々と書いてしましました。

遠く広島から思い切って受診して本当に良かったです。

ありがとうございました。

痔の原因となった便通を直さなければ何度でも痔を繰り返す

この患者さんのように、何度も痔の手術を受けている方もたくさん来られています。

手術すれば一旦、痔は治るけれど、また何年かしたら痔になって何度も何度も手術を受けてしまう・・・

手術を繰り返した肛門は硬く狭くなっているケースが多いです。

あまり何度も手術は繰り返さない方がいいと思います。

そもそも手術って何度も受けるものではないと思うんですけどね。。。

この患者さんが書いておられるように、痔で手術を何度も受けている人って、また痔になりたくないから、便通にはすごく気を付けている人が多いです。

便秘にならないよう、便秘に良いと言われていることは全部一通りやっておられるケースも多く、こちらが頭の下がる思いになることもしばしば・・・。

うーん。。。
これ以上、頑張れって言えない。。。

っていうくらい、努力している患者さんが本当に多いです。

で、頑張った結果、毎日便が出るようになって、

やったー!!
便秘が治った〜!!

って思っていたら。。。

あれれ・・・?
また痔?!
なんでーっ!!

と悲しくなる。。。

 

やっぱり痔って体質なんだ
いくら気を付けても
毎日お通じがあっても
痔になってしまうんだ。。。

と、体質のせいにしてしまう。

痔を遺伝や体質、家系だと思っている人が本当に多いですね。。。

そうじゃないと私は思うんですけどね。

私は習慣だと思っています。

だってね、20年以上、痔の患者さんばかり、たくさん診てきて思うんですけど、

痔を治した後、また痔になる人とならない人って、やっぱり便通や習慣が違いますもん。

自分では良かれと思ってることが実はお尻に悪かったりすることって多いです。

拭きすぎ・こすり過ぎ・洗い過ぎている人が多い

痔に限らずですが、お尻のトラブルで受診される患者さんって、温水便座愛用者が多いです。

 

この患者さんのように温水便座依存症の人も本当に多い。。。

温水便座が付いているトイレじゃないと排泄出来ないから便意を我慢・・・

っていう状況が増えてきます。

便意を我慢すると便を溜められる肛門なっていきます。

肛門は便に慣れて、どんどん鈍感になっていきます。

そうして出口の便秘を悪化させている人が多いです。

痔になってから自宅のトイレに温水便座を付けた・・・

という人も多く、どんどん温水便座に依存するようになります。

温水で洗った方が痔にいい

と思い、洗っているうちにどんどんエスカレートし、水圧も強くなり、洗浄時間もどんどん長くなる・・・。

温水の刺激で便が出るから、お尻を洗いながら排便している人も実は結構多いです。

(私はこれを患者さんに「ウォシュレット浣腸」と言っています。肛門に悪いのでしないでくださいね!)

そしてそれが常態化すると、温水で刺激しないと便が出なくなり、普通の何も付いてないトイレでは排便出来なくなります。

そうなると海外旅行が大変なんですよ。

だって、海外では温水便座なんて付いてないことが多いですから・・・

温水便座が付いているかどうかホテルに確認して、付いているホテルを予約するっていう患者さんもおられましたねぇ(苦笑)

そんな風に温水便座を愛用している患者さんのお尻は本当にボロボロです(涙)

もう診ていてかわいそうになります。

こういう病状を「温水便座症候群」っていうのですが、最近は温水便座を使ってないけれど、拭きすぎ、こすり過ぎのケースや、おしり拭きやウェットティッシュなどの衛生用品によるかぶれ、中には肛門を消毒しているケースなども多く、私は全部ひっくるめて「過剰衛生症候群」と名付けました。

過剰衛生は皮膚をボロボロにします。

考えてもみてください。

肛門周囲の皮膚って、眼の周りと同じくらい薄くてデリケートなんですよ。

 

眼の周りをゴシゴシこすって洗ったり、温水をかけたりしないでしょう?

そんなことしたら赤くなって乾燥し、ガサガサになって荒れてしまいますよね?

同じ事を肛門にもしてるわけですよ。

顔は鏡で毎日見てるでしょうが、肛門は見ませんよね?(苦笑)

気付いてないだけで、スゴイことになってる人が多いと思います。

洗いすぎた皮膚は炎症を起こし、硬くなります。

つっぱって伸びない皮膚になり、開きにくい肛門を作ってしまいます。

そうなると便を出す時に裂けるようになります。

通常の切れ痔と違って、肛門の縁(ふち)に出来ます。

しかも1カ所ではなく多発します。

硬い便で傷付いて出来たわけじゃないので、やわらかい便でも裂けます。

そこで洗うのをやめれば、まだ何とかなるのですが、重症化すると上皮性の肛門狭窄を起こし、手術をして肛門を広げなければならないケースも出て来ます。

だから、たかが洗い過ぎなんて言ってられません。

痔の根本治療は間違った排泄習慣を直すこと

あなたが良かれと思ってやっている習慣は本当にお尻に、肛門に、痔に良いのでしょうか?

本当に良いのであれば痔を繰り返さないはずです。

痔を繰り返している
痔が治らない

というのであれば、何かが間違っています。

あなたのお尻、肛門にとって間違ってることをやめなければ、何度でも痔を繰り返します。

私たちが出口の便秘治療で使うものは2つです。

それをどう使うのかは患者さん一人一人違います。

使うタイミング、個数、量、回数、みんな違います。

そして患者さんの生活の中で試しながら正解を探していきます。

正解は自分で見つけてもらいます。

自分が快適に生活出来たらそれでOKなんです。

そうなるまで、ちょっと慣れないことをしなければなりません。

そこは頑張って越えてもらわなければならないのですが、そこを越えて習慣化すれば本当に快適なトイレ生活と人生が待っています。

早くそこに到達できる人
なかなか出来ない人

それは患者さんによって色々です。

でも9割くらいの患者さんが2週間後の診察に来られた時に痔は治っている、あるいは改善しているという結果になっています。

2週間後の診察で終了になることも多いです。

あとは自己管理です。

通院も必要ありません。

うまく行かない時
お尻の調子が悪い時
ちょっと心配なことがある時

そんな時だけ診察に来て頂いていますが、自己管理が行き届いている患者さんは全く通院されません😓

というわけで、年に1回だけ「お尻健診」に来ている患者さんが多くなってきました。

そのうち「お尻健診センター」のようになってるかもしれません😅

痔になってから来るんじゃなくて、痔にならないように受診する

肛門科がそうなればいいなぁ。

とことんひどくなってから、やっとの思いで受診するところじゃなくて、もっと気軽に受診できるようになれば痔って言う病気が予防出来ると思うのです。

そうなると肛門医療が変わります。
歯科と同じようになるんでしょうかね。

 

治療から予防の時代へ。

私一人の小さな力では到底無理だと思っていましたが、少なくとも、うちの診療所の患者さんでは実現出来ています。

だから「どうせ私一人が頑張ったって何も世の中変わらない」とあきらめずに、情報発信を続けようと思います。

困っている人の所に届くことを祈って。。。


診療所のセラピードッグ「ラブ」🐾
もうすぐ父の日ですね
母の日はカーネーションですが、
父の日の花ってなんだっけ?

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