痔瘻になった肛門科医が治療に取り組んだ話、まとめ

実は文章を書くのがとても苦手と思っている(思っていた?)大阪肛門科診療所 院長の佐々木巌です。

肛門科医である私自分自身が痔瘻になり、治療に取り組みました。

シリーズになってしまいましたが、その時の話を思い出して書いてみたのが下の記事たちです。

肛門科医が自分自身の痔瘻手術を決心したときのこと

肛門科医が受けた痔瘻手術、麻酔と手術中のこと

痔瘻手術を受けた肛門科医、手術翌日と治るまで

肛門科医は自分自身の痔瘻術後にケアをどうやったか

この他にも覚えていることがありますから、知りたい方は診察室で尋ねてみてください。

自分自身が痔瘻になって学んだこと

今振り返ってみると、自分の生き方が変わるくらい学ぶことがありました。

患者さんの気持ちが上っ面じゃなくて分かるようになった気がします。

逆に、人によって考え方が全然違うことも分かりました。

当時私は自分が「正しい」判断をしたと思っていました。

たくさん知識を持っているから、「正しく」判断できたのだと思っていました。

だから、患者さんにもその知識をお伝えして私と同じように「正しい」判断をしてもらおうとしたのです。

しかし、知識をお伝えしても私から見て正しい判断をする方と、そうでない方がおられたのです。

今から考えれば、それが「多様性」なのですね。

今の医学は多様性を容認する考え方が少ないように思います。

全ての人が一つの原則に従って治療することが「正しい」かのような、そういう考え方があちらこちらに見えます。

標準治療とはそういう考え方を基礎にしているように感じます。

しかし、人の生き方に正解がないように、人によって選択する治療法が異なっても良いのではないだろうか。

特に、痔のような良性疾患の場合にはもっと自由があって良いのではないだろうか。

自分自身がした判断と、患者さん達のする判断の違いを観察し考察した結果、こんな考えに至りました。

そして、当院は多様性の一つの選択肢を提案する医療機関になる要素を備えていることに気付き、実践をはじめました。

それが、「手術を避ける技術を大切にする」と言うことです。

もう少し突き詰めれば「患者さんが自分らしい判断をするために必要なサポートをする」ということです。

うん、これからはこっちのコピーに替えようかな(笑)。

私自身が引き継いだ大阪肛門病院は自由診療でした。

当時、大変な足枷だと思っていました。

しかし、多様性の選択肢を提案するということは、標準治療から逸脱するということです。

当院は標準治療を行うことで収入を得る保険診療を行っていないお陰で、この役割をスムーズに担うことができるようになりました。

私自身は、不要な手術は大嫌いですが、手術否定派ではありません。

むしろ手術は肛門科医に必要不可欠な技術と思います。

そんな私が、今の考えに至ったのは自分が患者になったお陰なのかな、と思っています。

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