必要のない下剤を飲み続けると切れ痔が悪化することがある

(2018年9月8日加筆修正)

子供の頃、ひどい切れ痔だった大阪肛門科診療所 肛門科女医で専門医・指導医の佐々木みのりです。

切れ痔(裂肛)が治らなくて何年もずーっと通院を続けている

あるいは

切れる度に受診して、薬をもらったら良くなるけど、切れては治り、治ってはまた切れ・・・の繰り返しで、完治しない

という患者さんを多く見かけます。

治らない、繰り返す切れ痔の原因は便通です。

便通を直さずに薬を使っても何度でも切れます。

酸化マグネシウムなどの軟便剤を処方されているケースが多いですが、これ、「便を出す」薬ではなく、「やわらかい便を作る」薬ですよ。

これを飲んでも出始めだけ硬い便が出るというケースも多く、切れるからと、どんどん薬の量を増やすと下痢便が常態化し、肛門が狭くなってしまいます。

慢性の切れ痔(裂肛)の人は、スッキリ排泄できずに便が残っていることが多いため、この「出残り便」を出し切るようにしなければ切れ痔(裂肛)は治らないです。

だってね、どんな飲み薬も出来上がった便には効きませんよ。

ましてや出残り便には効きません。

これから作られる便に効くんです。

腸はちゃんと正常に働いて、良い便を作って出口(肛門)まで送り届けてくれているのに、その送り届けられた便を排出する過程でつまずいているのに、必要の無い下剤を飲むから、かえって切れ痔が悪化するのです。

出残り便が傷を汚染するから治らない。

そのせいで炎症が起こって「見張りイボ」「肛門ポリープ」などの突起物が出来てしまうんです。

 

患者さんのアンケートや手紙が山のように溜まっていて、順番に掲載していきますが、1年くらい経過してしまっているケースも多いです💦

すみません。。。

こうしてブログに感想を掲載すると、なぜか患者さんから「私のアンケートをブログに載せて下さってありがとうございます」とお礼を言われます。

いえいえ。。。
お礼を言うのはこっちの方ですよ。

本当にありがとうございます。

患者さんの言葉は自らの体験から生まれたナマの言葉。

どんなに私が考えて上手く表現してもかないません。

本当に悩んだからこそ出てくる力強い言葉です。

そしてその言葉が同じように痔で悩んでいる人の心に届くようです。

患者さんの感想に救われた・・・と言われる人も多いです。

だから、出来るだけ掲載していこうと思います。

マグミットと注入軟膏を使い続けても完治しない

みのり先生、先日はどうもありがとうございました。

関東に住んでおり、こちらの病院で2年ほど通院していましたが、毎回、マグミットと注入軟膏を渡されるだけで完治しないので、意を決して受診しました。

1年ほど前からみのり先生のブログを読んで、ずーっと悩んでいました。

私はこのまま一生マグミットを飲み続けて生きていかないといけないのか・・・

と毎日不安で。。。

関東の先生は忙しいのもあり、あまり話をきいてくれず、マグミットを飲んでも切れるようになり・・・。

通院しているのに、どうしてひどくなっていくのか・・・。

と、いつも頭がおしりの事でいっぱいになっていました。

自由診療と遠方だという事でハードルが高かったですが、京都帰省の際に思い切って予約してみました。

予約する前に、メールで、

もしかしたら通院できないかもしれないが、一度だけでもみてくれますか?

という内容の文を送ったら数日後、院長先生から、あたたかい返信メールをもらい、それが受診の決め手となりました。

院長先生、忙しい中、あたたかいメールを下さり、ありがとうございました。

受診して、みのり先生にみてもらい、きちんと説明を受けて、今の自分のおしりの状態がどうなっているのか、よく分かってよかったです。

一体、自分のおしりがどうなっているのか、わからないまま、2年間、マグミットと軟膏を言われるがままに使っていた自分が恐ろしくなりました。

ハードルが高かったものの、ここを受診して本当によかったと心から思いました。

マグミットも軟膏も必要なしと言ってくださり、涙が出そうになってしまいましたが、ぐっとこらえました。

私の傷は古傷になっており、少し時間がかかるかも、と言われましたが(切れ始めて3年ですので・・・)先生の指導でしっかり治していきたいです。

もし手術になったとしても、この病院でなら安心して手術出来そうです。(たぶん大丈夫といってくださっていますが・・・)

夫にも理解してもらい、新幹線での通院になりますが、頑張ります。

実母が、少々高くても、体のことは良い病院で早く診てもらって治す方がいいよ!と言ってくれたのも嬉しかったです。

実母も痔なので・・・。

乱筆乱文申し訳ありません。

最後に、院長先生がブログでメールでの文章は冷たくなりがちなので心配だと言うことを言われていましたが、先生、大丈夫です!

メールの文章、あたたかかったです!

先生のメールで受信を決意しました。

本当に感謝しています。

先生ありがとうございました。

治ったら通院は必要なくなる

この患者さんに限らずですが、ずーっと通院し続けている人が多いですね・・・。

治療のために必要・・・なんでしょうけど、痔って、治療がうまくいって完治したら通院が必要無くなるんですよ。

 

治ってるんだったらいいんです。

でも患者さんの話を聞いていると、治らずにずーっと通い続けておられます。

ヘタすると2週間に1回のペースで何年も通院している人もいます。

だいたい下剤と注入軟膏がセットで出されて、延々それを使い続けている・・・というケースが多いです。

下剤も必要だったらいいんです。

でも下痢になってるのに、

飲まなくてもちゃんと毎日便が出るのに、

飲んでる人が多いです。

そりゃあ、下痢になりますよ・・・。

下痢便なのに肛門が切れるようになると、肛門が狭くなっている可能性もあります。

そのような状態になると、大抵、手術を勧められます。

えっ?!なんで?!

悪化しないようにと、
ずっと何年も通い続けたのに・・・・

結局、手術って悲しすぎる・・・


何のための通院だったの・・・?

そう言われる患者さんが多いです。

下剤を飲んでいるのに切れる時は残便を疑う

下剤を飲んでるのに切れ痔が治らない・・・

下剤が効いて軟便が出てるのに切れる・・・

という場合、便が残っている可能性があります。

 

出始めだけ硬い・・・という場合は残便の可能性大です。

出始めの便は昨日の出残り便なんです。

残った便は時間が経つと古くなって固まってしまいます。

 

その出残り便が出るときに肛門を傷付けたり、痛みを感じたりします。

そしてまた便が残ると、残った便が傷を汚染します。

これじゃあ、切れ痔(裂肛)も治りません。。。

どんな下剤も出残り便には効きません。

飲んでも切れ痔が治らないからと、どんどん飲む量を増やしても、便はスッキリ出るようになりません。

最後には下痢にして出している患者さんもいますが、下痢便が残るとさらにタチが悪いです。

傷の汚染がすすみ、切れ痔(裂肛)が化膿することもあります。

切れ痔の炎症がひどくなると、肛門が狭くなってしまうので、そうなる前に早めに対処して欲しいです。

下剤が必要ない人が多い

「痔=便秘」

あるいは

「便秘の人が痔になる」

と思っている人が多いですが、実は痔になっている人の8割は毎日便通がある人です。

つまり腸は正常に動いて便を出口(肛門)まで送り届けてくれています。

だけど排泄する過程がうまくいってない。

そうです。

何度も書いている「出残り便秘®です。

残った便には下剤は効きません。

正常に動いている腸を、薬でさらに動かすことになるので、おなかが痛くなったり便がゆるくなったりします。

それ、下剤は必要ないってことなんです。

必要無いのに飲むから、おかしなことになるんですよね・・・。

不要な下剤の乱用は肛門狭窄を作るので、本当に要注意です。

下剤を飲んでも治らない切れ痔
下剤を飲むと悪化する切れ痔

の場合は、出残り便秘®の可能性大です。

下剤も痔疾薬も使わなくても切れ痔は治る

大阪肛門科診療所では切れ痔の治療に下剤や痔疾薬を使うことが非常に少ないです。

ほとんど薬を使いません。

いわゆる「○○注入軟膏」などの痔疾薬すら出さないことが多いです。

ただのワセリン基剤の軟膏で傷を保護するだけで治ってしまいます。

 

毎日便が出てる人が多いため、下剤も出しません。

間違った排泄習慣を直してもらうことに重点を置いています。

いわゆる医学的な「標準治療」とは違ったことをやっています。

普通は下剤(緩下剤)と痔疾薬で治療するのが標準です。

だから前の先生の治療が間違っていたわけじゃないんです。

ちゃんと教科書通りに標準治療をやっておられます。

でも、それで治らないから、困ってわざわざ遠方から大阪肛門科診療所を受診されてるわけですよね?

だったら、同じ事やっても治りません(苦笑)

それは前の先生が実証してくれています。

だから私たちは違うアプローチを試みるようにしています。

それが排泄管理、便通指導です。

なぜ切れ痔(裂肛)になったのか?

なぜ治らないのか?

なぜ切れ痔(裂肛)を繰り返すのか?

そこを考え、突き止めて治療を組み立てます。

ちょっと変わった肛門科です。

次の通院は2〜3週間後です

初めて来られた方の次の通院は2〜3週間後です

こちらが提案した治療を自宅で実践してもらって、2〜3週間後に来て頂きます。

そこで切れ痔の場合、治っていることが多いです。

完治終了となります。

でもね、切れ痔(裂肛)は治っても便秘は治ってません。

だから便通の管理だけは続けてもらわなければなりません。

そこは患者さんの自己管理にお任せしています。

自己管理が行き届いている患者さんは、痔を繰り返さないので、受診されることもありません。

特に遠方の患者さんは一度来られて治ったら終わりです。

調子が悪くならないので滅多にお会いすることがありません(笑)

それでも1年に1回、お尻の定期健診に来られる患者さんが増えてきました。

大阪肛門科診療所のルールで、「1年以上あくと初診扱い」としているため、再診のうちに・・・と来られているケースも多いです。

メールでのご相談に必ず返事を書けるとは限りません。。。

大阪肛門科診療所のホームページにある「お問い合わせフォーム」は海外の患者さんのために設けました。

遠方の患者さんからの問い合わせが増えているのですが、国内の場合は、お電話でお願いします🙏

メールだと文章を考えて書くのに30分くらいかかってしまいます。。。

だって、文章だと冷たく感じることがありますもんね。。。

このブログだってそうですが・・・。

できるだけ言葉を選んで、冷たくならないよう、思いが伝わるように・・・と一生懸命書くのですが、それでも文字にすると「そっけなく」なってしまうことが多いです。

それに診察してみないとお答えできないような質問も多く、非常に申し訳ないのですが、お返事を書いていないことも多いです。

決して無視しているわけではありませんので、どうか誤解しないでくださいね。

また一生懸命お返事を書いて送信したのに、送信不能で送れないことも多く、連絡の取りようがないため、どうすることも出来ません。

たまにブログで質問に対する答えを書いていることもありますので、そちらをご覧下さい。

また、お返事が無い場合は、お電話でお問い合わせください。

メールよりも電話の方が数倍、楽です。

メールって本当に時間と労力の割に、真意が伝わりにくかったり、誤解して伝わったりするので・・・。

どうか事情をご理解いただきますようお願いします。


診療所のセラピードッグ「ラブ」🐾
一番奥がラブです🐶
多頭でトレーニング♪
それぞれ別の指示を出しても従います

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