セカンドオピニオンとは?

はじめに

(2018年9月9日加筆修正)

人からどう言われているか、ものすごく気になる大阪肛門科診療所 院長の佐々木巌です。

先日の記事で

「比較する姿勢は大切だと思いますし、比べていただいて結構ですよ(笑)。」

と書きました。

この記事です↓

自由診療の裏側

つまり、当院を受診する前、受診した後に他所を受診なさるのもとても有意義だと思うということです。

この件について私の考える事を、もう少し詳しくお話ししてみたいと思います。

具体的には、「比較することを当院に対して遠慮しなくて良いですよ」「でも保険診療の場合は比較するときにちょっと注意が必要なこともあります」、そして「前の先生のことどう考える?」ということについて書いてみました。

遠慮する患者さん

患者さんの心理って別の施設に受診した後だって言うことを、正直に言うべきかどうかためらってしまうものなんですね!

なぜかモジモジしている患者さん・・診察の終盤になって「実は前の病院で・・」と前の病院での診断について話し始める、といった経験をたくさんしています(笑)。

「うわっ、それでやけに内痔核がないかどうかにこだわってたんだ・・」と気付いたりするわけです。

いやいや、私たち気にしないですよ~。

というか光栄に思います。

すでに受診していて医療も受けておられるのに、その上の期待をしていただけるんだから。

気にしないで言ってくださいね。

診察・説明の効率も悪いですしね。

あと、場合にもよりますが、患者さんと現在の主治医の関係を悪くしないように配慮できることがあるかも知れませんしね。

保険診療の場合、比較はちょっと注意

セカンドオピニオンについて

別の医療機関を受診するという行為で良く聞く言葉が「セカンドオピニオン」というもの。

例によってウィキペディアで調べてみました。

セカンドオピニオン(英: Second opinion)とは、よりよい決断をするために、当事者以外の専門的な知識を持った第三者に求める「意見」、または「意見を求める行為」のことである。(中略)セカンド・オピニオン外来(自費診療)を受診する場合は、セカンド・オピニオンは「診療」ではなく「相談」になるため、健康保険給付の対象とはならず、全額自己負担となる(以下略)

また別の解説サイトにこんなことが書いてありました。

(セカンドオピニオンは)「主治医を変えるわけではない」ということ。
あくまで主治医以外の意見を聞くというのが前提なので、結果は主治医に報告をし病気や治療法への理解をするというのがセカンドオピニオンの目的となります。
場合によっては病院を移る可能性はあるものの、最初から医師や病院を変えるつもりでセカンドオピニオンを受けるというのはNG。
また、セカンドオピニオンを受ける際にはまず主治医にセカンドオピニオンを受けたいということを伝えて紹介状などを書いてもらう必要があります。

ふーむ・・・

調べてみてビックリしました。

私自身がセカンドオピニオンをちゃんと理解していませんでした。

私はセカンドオピニオンって言うのは単純に他の医者の意見を聞きに行く行為だと誤解していました(汗)。

正しいセカンドオピニオンとは「主治医は変えない、しかし他の医師の意見も聞きたいので主治医から紹介してもらって紹介先に相談しに行くという行為」とのこと。

主治医の許可を得ずに他の医療機関を通常通りに受診することは「ドクターショッピング」言われるそうです。

じゃあ、今まで「セカンドオピニオン受診」と言って当院を受診された患者さんは全員ドクターショッピングだったわけだ!

わはは(笑)。

まあ、自由診療の当院は、保険の効く効かないも気にする理由がありません。

わざわざ主治医との軋轢を恐れながらセカンドオピニオンのための紹介状を書いてもらう必要はないんじゃないでしょうか。

当院を受診した後に前にかかっていた施設に戻るという選択肢だって、もちろんあります。

あ、逆に当院から他の医療機関に行くときは、どうぞ自由に受診してくださいね。

私としては、後からでもいいのでそのことを教えてくださると、嬉しいです。

でも、保険診療の場合は、医者の裁量で完全に自由、ともいかない問題がありそうです。

フリーアクセス

日本ではフリーアクセスと言って、保険診療でも患者さんが自由に医療機関を選んで受診することができます。

実はこれ、海外では当たり前ではありません。

確か英国在住の患者さんが仰ってましたが、同国では居住地域ごとに受診できる施設が決められているそうです。

日本以外の国では、そういう制度の国が多いと聞きます。

裏返して医者の立場で見ると、自由開業制じゃないってことでもありますね。

日本の医療が当たり前の私には、ちょっと考えられないことです。

ま、英国の話はおいておきまして、日本の話に戻りますと。

日本では、もちろん患者さんは自由診療の施設だって選択することができます(自由診療の施設は少ないですけど)。

当院の場合は文字通り日本中から患者さんが来られます。

比較的アクセスが便利な東海道・山陽新幹線エリアの方が多いですが、それ以外の地域の方も。

有り難いことです。
診療方針が特殊だからでしょうか。

ほとんどの方が複数の医療機関を受診した後に当院を受診されます。

先に言った「セカンドオピニオンじゃないヤツ」ですね(苦笑)。

ただ、フリーアクセスと言っても、保険診療上はルールがあります。・・・あるはず(汗)。

だから病気ごとに受診施設が決まっているのです。

例えば、高血圧は近くのクリニック、糖尿病は大きな病院、という受診方法の方もおられますよね。

どんなルールかっていうことを、ちょっと自信はないのですが、部外者の私なりの理解で書いてみます。

自信ないんなら、書くなよって?
・・うん、でも多分メチャクチャ間違ってないはず(汗)。

保険請求の制限

私は開業以来ずっと自由診療ですから、保険診療から見ると部外者なのですが、以前に確かこういう話を聞いたことがあって、保険診療を以下のようなイメージで捉えています。

「保険診療ではひとりの患者さんが単位期間内に請求できる同一の医療行為の回数に制限がある」ということ。

ああ・・ややこしい言い回しになっちまった!

ちょっと極端な例を使って話します。

1ヶ月の間にひとりの患者さんが、3軒の別々の病院にかかり、それぞれの病院で1回ずつ、計3回のいぼ痔の手術を受けたとします。

3軒の病院はそれぞれに保険請求します。

患者さんは一人ですから健康保険証も1枚、保険の請求先だって1ヶ所です。

保険の請求先には3軒の病院から同じいぼ痔の手術をやったという請求が届くわけです。

でも保険診療のルール上、いぼ痔の手術に対する保険請求は1ヶ月に1回しか通らないと決められている。

だから請求が通るのは3軒のうち1軒だけ。

他の2軒は請求しても保険からは代金の支払いがない。

2軒の病院は手術したのに支払がなく、その分赤字になる、というようなことです。

・・本当はもっと複雑な話だと思うのですが、私は大ざっぱにこういう風に理解しています。

先の例は手術でしたが、他の医療行為についても同じような規定があると思います。

何が言いたいのかというと、フリーアクセスと言ったって、同じ病気に対して短期間で複数の医療機関で受診すると、場合によってはその医療機関を赤字にしてしまう可能性がある、ということです。

先ほど引用した中に「セカンド・オピニオンは診療ではなく相談になるため、健康保険給付の対象とはならず・・」という一文がありましたが、それにも同じような理由があると思います。

ふたたび例を出すと、例えばA病院でガンの診断を受けCT・MRIなど検査を受けた人が、そのことを黙ってB病院を受診、同じCT・MRI検査をもう一度受けた。

このケースでは、B病院が行った検査は保険が通らずその費用はB病院の負担、赤字になると理解しています。

セカンドオピニオンはこういう理由で保険にできないのだと思います。

だからこの例のような受診の仕方は、保険診療の医療機関にとっては迷惑で残念なことなんですね。

残念な患者さんにならないようにちょっとした配慮が必要です。

例えば、同じ病気のことで何カ所も無節操にジャカジャカ受診する・・というのは医療機関の経済上、そしてもちろん治療上も良くないことが多いと思います。

ま、そういう行動をする方というのは、ごく少数の特定の方か、またはよっぽど切羽詰まっている方だとは思いますが。

前の先生のこと

さいごに、比較のために当院を受診した患者さんに対して私がいつも心がけていることを書いてみます。

時々ですが、前の先生に対する不満を口にする患者さんがおられます。

患者さんは辛かったのだろうと思います。

前の先生のところでは治療はうまくいかなかったのかも知れません。

だから当院にいらっしゃったのですよね。

それは理解したいと思っています。

患者さんによっては、前の医療機関を選んだご自身を責めておられる方もおられます。

でもね。
医者って患者さんのことを「悪くしたろ!」って思わないはずです。

保険診療の先生達は本当に忙しくて厳しい環境で医療をやっています。

患者さんに対する応対も、余裕のないものになるかもしれません。

当院のように得意なことだけをやっていればよいのではありませんし、私たちと同じような学びの環境にはいないのです。

自然に知識が増える領域に違いができます。
違うのは仕方ないことです。

医者も人間なんだから得手不得手があります。

それを何とかするために標準治療というものがあります。

得意じゃないことでも標準治療に従ってやれば、ある程度のレベルで診療ができるはず・・。

ほとんどの保険診療の先生たちは、色んな病気を診ないといけません。

そのどれもに対して、標準的な診療ができるようにいつも努力しています。

だからご自身を責めないでほしい、前の先生の「人格」を責めないでほしいのです

患者さんは、大抵悪くないです。
そして同じように、多くの場合、前の先生も間違ったことはしていないのです。

あくまでも保険診療が標準。
普通は、前の先生のやり方で良いはず。

私たちは、保険診療の届かないところをカバーしてるだけなんですから。

できれば、「一生懸命やってくださったけど、標準治療ではうまくいかなかった・・」という風に考える方が患者さん自身も幸せなんじゃないかなあ・・と思います。

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