マニュアル医療と旧来型医療、その長所と短所について

日本に限らずですが医療のマニュアル化が進んでいます。

昔は徒弟制度で、匠の技とか職人芸を持つ師匠に学び、あるときは教えてもらい、あるときはその技を盗んで、自分の技術を向上させていきました。

しかし現代の医学の知識は膨大です。

私達の時代も大変だと思ったけれど、昨今の医学生は当時と比べものにならないくらい学ぶべき事が多い。

教科書がどんどん分厚くなってゆくのです。

国家試験に合格するのは本当に大変なご苦労です。

今の学生さんは大変ですよ。

私、今だったら医者になれないんじゃないだろうか・・

今回は、マニュアル化された現代の標準医療と徒弟制度を基本にした旧来型医療の長所短所に関する私なりの考察しようと思います。

そして自由診療である当院の存在意義を私がどう考えているかお話ししたいと思います。

マニュアル医療の良いところは均一性と伝達性

マニュアル医療の一番の長所は、医療が均一になること。

医療に再現性が期待出来るようになります。

再現性とは、誰がやっても手順通りにやれば同じ結果が得られる、と言う意味です。

再現性を確保するためにガイドラインがあります。

ガイドラインにも、診断のガイドラインと治療のガイドライン、両方必要です。

手順に従って診断をして、手順通りに治療する。

その結果も何%くらいの患者さんはこんな結果になって、残りの何%の患者さんはあんな風になる・・というのが分かっているから、治療方針を選びやすい。

そのガイドラインも一杯あるので、それがまた大変なんですが・・

でも、こんな風に医療をマニュアル化することで医療をよりハイレベルなものに成長させてきました。

医者も患者も結果に納得できるのです。

マニュアルが医療のハイレベル化に果たした役割は計り知れません。

マニュアル医療のもう1つの長所は、伝達・教育の効率が良いことでしょう。

マニュアル医療では、医者の教育もマニュアル化されています。

これこれを学んだら次はこれ、その次はあれを身につけて・・とてもシステマチックに学んでいきます。

ムダがないんですね。

医者になってからももちろん学習は続きますが、カバーしなければならない技術が多すぎます。

病院側も若い医者がいつまで経っても戦力にならないでは困るので、早く成長させるためにシステム(=マニュアル)が作られたわけです。

幅広い知識と技術が必要な現代の医療に見合った優秀な医師を育成するためには、マニュアル化された医療はもってこいだと思います。

マニュアル医療の短所=旧来型医療の長所、それは突出した個性を排出する可能性

多くの方と同様マニュアル医療では突出した個性は育ちにくい、と私も思います。

突出した才能を持っている人も、本当はたくさんいるはずなのですが。

例を出すなら、たとえば才能のある人が勤勉とは限らない訳です。(ここで言う才能のある人とは、決して、私のことではありません)

徒弟制度って、強制力の働く場面が多いのです。

仕方なしに努力するという。
例えば手術なんて、全くやらせてもらえない。

ずーーーーっと、助手をやらされる。

普通ならつまらないですよ。

でも、ある日「やってみろ」と。

一度も教わってない。
なのに手術はできる。

なんでだろ?

目にタコができるくらい見てたから、身体が勝手に動く
んです。

身体が勝手に動くまで手術を見とけ、ってよほど勤勉じゃないとできません。

助手しか仕事が無いからやってるだけかも知れません。

でも、ひとつのことを繰り返すことって、それくらいのパワーがあります。

「身体が勝手に動く」というのは、私自身の経験
です。

徒弟制度なら、勤勉じゃなくても、そして勤勉ならなおさら、一芸に秀でる可能性があります。

マニュアル教育では、そこまでやらないんじゃないでしょうか。

一点集中で学ぶなら徒弟制度
が有利ではないか、と思います。

でも、徒弟制度は伝達に時間がかかります。

オールラウンドプレーヤーを育てるのは徒弟制度では難しい、と私は思います。

少なくとも、私の能力では無理でした。

おかげさまで、現在の私は自他共に認める肛門バカです(笑)

結局、両方必要なんじゃない?

そんなわけで、マニュアル医療にも、徒弟制度で教育された旧来型医療にも、それぞれ長所と短所があると思うのです。

私は徒弟制度の施設で修行したわけで旧来型医療をやっているのだと思いますが、私の世代でもシステマチックに学んだドクターもいます。

思い返せば、私は当時で言うマニュアル人間(態度が受け身で学習意欲が不足しがち、いわゆるボンクラ)だったと思います。

そんな私が幸か不幸か教育のマニュアルがないところで修行をしたわけです。

お陰で色々と勉強になりました。

辛いこともありましたが、今ではそのことに感謝しております。

企業ではどうか知りませんが、医者の世界では、特に外科では、徒弟制度もまだまだ利用価値があると思います。

あと、マニュアル医療で上手く行かないときにどうする?という問題があります。

一般の施設で標準治療をしたけれど上手くいかないときは、当然専門医にかかるわけです。

でも、その専門医もマニュアルでしか動けなかったらどうなるんでしょう?

専門医試験というのは、マニュアルやガイドラインをちゃんと運用できることを証明する試験です。
突出した個性・能力は評価の対象ではありません。

どんなにひとつの事が上手くても、学会では専門医と認めてくれないのです。

で、マニュアルから外れた現象に遭遇したときに、ちゃんと対処できるのか?ということですが、これは医師の個性が問われる領域です。

患者さんが師匠、と考えて自分の頭で考える医師もいるでしょう。

文献に答えを探そうとする医師も多いでしょう。

どっちが良い・悪いではありません。

両方必要なんです。

結局一人の医者の中にも両方の要素があります。

要はそのバランスの問題なんだと思います。

多様性が必要だと思います

マニュアル医療というのはある意味、個性を排した医療です。

客観的で、平等です。

まさに保険診療はこうあるべきで、マニュアル医療は大多数の患者さんを救うことができると思います。

マニュアル医療では医師は個性を主張すべきではないし、ある意味、私情を挟むことすらいけないことなのかも知れません。

では現代における旧来型医療の役割は標準医療でカバーできないところを補うことなんだと思います。

標準じゃないこと、つまり個性的であること。

標準医療から外れている訳ですから、保険診療には馴染まない。

保険診療じゃなければ自由診療になるわけです。

当院はまさに自由診療の施設なわけですが、診療費が高額でもあります。

自由診療というと、正直、色々な偏見もあります。

でも、そういう受け皿も世の中には必要だと思うのです。

そして、できるだけ様々な個性が標準医療以外にも必要なのだと思っています。

万能のマニュアルはおそらく今後もできないでしょう

だとすれば、多様な選択肢があることは良いことに違いない、と思っています。

なんだか支離滅裂で論理が破綻している気もしますね、お恥ずかしい限りです。

大阪肛門科診療所は自由診療です

最後に無理矢理締めくくりますが、

大阪肛門科診療所は自由診療です

個性的な医療を目指しています

マニュアル医療・標準医療でカバーできない患者さんの役に立ちたい、

と考えています。

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