必要のない下剤を飲んだせいで切れ痔が悪化し肛門が狭くなっていたケース

今日の患者さんは産後の30代女性。

どこに行っても治らない切れ痔に悩み、東京から来られました。

今までの経過

3年前に左下腹部が痛くなって病院を受診し、レントゲンで便とガスが溜まっていて便秘と診断された。

だけど1日4〜5回便が出ていた。

病院から酸化マグネシウムやヨーデル、アミティーザなど出されて試したが、酸化マグネシウムが一番良かったので飲んでいた。

半年前に出産。

出産するまで分娩台で過ごしている間に、1日排便をしなかっただけで、出産後の翌日に排便をすると、便がものすごく硬くなっていて切れ痔になりました。

今まで毎日5〜6回の排便があり、出しても出しても終わりが分からないような感覚がありましたが、自分は便通が良いと思い生きてきました。

産後の育児と、治らない切れ痔、本当に辛い毎日でした。

近所の内科でネリザ軟膏を処方してもらい、すぐに良くなったけれど、また出血。

今度は肛門科を受診して酸化マグネシウムの量を増やしたけれど、便の回数が増えるだけで症状が改善しなかった。

別の肛門科を受診しても治らず。

専門医に診てもらっても「考えすぎ。育児をしていれば精神も強くなる。」そんなことを言われながら、ずっと疑問を抱えていました。

そんな時、みのり先生のブログを発見し読んでみると

「出始めの便が硬い」

私の症状と同じだと思い、受診したいと思い、やっと診てもらうことが出来ました。

現在の排便と生活習慣

便通は毎日あります。
それどころか1日4〜5回出ています。
頻便ですね。
残便感はありません。

酸化マグネシウム500mg1日2回内服。

そして最近通い始めた肛門科から乙字湯も処方され1日2回飲んでいます。

それだけではありません。

便通を良くしようとサプリメントの水溶性食物線維(イヌリン含有)も飲んでいます。

今の便通が、酸化マグネシウムや乙字湯が効き過ぎて頻便・軟便になっているのか、元々なのかは分かりません。

ウォシュレットは排便後に使用。

洗ったあとなのに、トイレットペーパーでお尻を拭くと便が付くため、付かなくなるまで2〜5回拭いています。

おしりふきも使っています。

診断と治療

洗い過ぎで肛門周囲の皮膚に色素沈着がありました。

1カ所だけ小さな見張りイボがあります。

指を入れると、肛門がやや狭いです。

肛門鏡で診察すると、見張りイボの奥に治りかけの切れ痔があり、さらにその奥には小さな肛門ポリープもありました。

切れ痔を繰り返してきたようですね。

指診で便を確認💩
なんと、今日は既に3回も便が出たのに・・・です😓

坐剤を入れてトイレに行ってもらいました。

そうすると・・・たくさん便が出たそうです💩💩💩

大量の出残り便があったようですね😓

もう一度診察です。

指を入れると、量は多くないですが、まだ便があります😱

出し切れなかったようです💩

次は浣腸をしました。

再度トイレへ・・・。

また便が出たようです💩

そしてもう一度診察。

次は大丈夫でした!
キレイに出し切れて肛門の中もスッキリです😊

治療は

  1. 坐剤で便を出し切ること
  2. Sザルベで肛門マッサージ

そして色々飲んでいる下剤やサプリメントは一旦全部、やめてもらうことにしました。

これを飲んでいると、薬や健康食品が効いて便が出ているのか、自分で出せているのか分からなくなってしまうからです。

一旦リセットして、腸が自分で動いているかどうかチェックしてもらうことにしました。

腸がちゃんと動いて良い便を作り、出口の肛門の所まで運んでくれていたら、毎日良い便が出るはずですから。

次回の診察は2週間後です。

診察の衝撃と治療経過

出残り便秘®だと原因がわかって正直、ホッとしました。

とてもあたたかく迎えてくださり、緊張感がだいぶ、ほぐれました。

坐薬を入れて残便を出しているのに、そのあともまた便が出るため、何度も坐薬を使うことになってしまい、どうしたら良いのか不安で何度も電話をかけて相談しましたが、看護師の方がとても丁寧に対応して下さり、安心出来ました。

急に飲んでいた下剤を全部やめるのが怖かったため、酸化マグネシウムは減量して330mgを1錠だけ眠前に内服していました。

坐薬を使っても排便回数が多く、今はまだ便秘は治りそうにもありませんが、気長に治療をしていこうと思います。

2週間後の受診

便の回数はまだ多く、坐薬も1日1回ではすまない状況でしたが、切れ痔は完璧に治っていました!

酸化マグネシウムとサプリメントのせいで、おなかが過剰に動きすぎているのかもしれません。

便もキレイに出し切れて肛門も直腸も空っぽでした。

ちゃんと排泄出来ています。

何度も便が出るのは出口に便が残っているからではなく、お腹(腸)の動かし過ぎです。

出口(肛門)の問題ではなくお腹(腸)の問題ですね。

だから酸化マグネシウムもサプリメントの水溶性食物線維も中止してもらうよう指示しました。

また切れたら怖いから・・・と下剤やサプリメントを飲みたい気持ちは分かりますが、そのせいでお腹が下痢になっているため、何度も何度も、出しても出しても、奥からどんどん便が洪水のように降りてくるのです💩

このような状況で坐剤を使うと、刺激になって腸が動きすぎるため、1日3回を限度に使ってもらうことにしました。

そして腸の動きすぎで頻便になっているのは腸内環境の問題もあるため、小麦と乳製品を抜いてもらうことにしました。

これだけで便の回数が減ったり下痢がピタッと止まることも多いです。

次回は1か月後に来てもらうことにしました。

1か月後の受診

肛門が切れることは無くなっていました。

マグネシウムも食物線維のサプリメントも飲んでいません。

小麦と乳製品も完全に抜いてみたそうです。

便の回数は減っていましたが坐剤を1日3回使うこともあり、使う度に便が出ることもあったようで、なかなか便通治療は難渋しています。

ご本人の希望もあり発酵素「するり」を飲んでもらうことにしました。

肛門は異常なし。
切れることも無くなっているし、痔は治ったので通院は必要ありません。

あとは生活の中で自分で排便の管理をしてもらうだけなので、東京の患者さんということもあり次回は1年後としました。

発酵素するりが体に合ったようで、その後も継続されています♪

するりについてはコチラ↓

「発酵素するり」の色々な摂取方法♪

発酵素「するり」を使った豆乳グルトの作り方♪

出口(肛門)の問題ではなく、お腹(腸)の問題であることも

この患者さんの頻便(1日に何度も便が出ること)は、便が残っているからではなく、腸が過剰に動きすぎていることによって起こっていました。

切れ痔の患者さんでよくあることなのですが、切れるのが怖い、切れているから出す時に痛いのが怖いから、便通を良くしようと酸化マグネシウムを飲んだり、サプリメントを摂取したりして、腸を動かしすぎたり軟便になったりしているケースが多いです。

酸化マグネシウムは「やわらかい便を作る薬」です。

便がやわらかくなりすぎると、腸の中で便が洪水状態になり、何度も便が出たり、下痢になったりします。

またサプリメントも要注意です。

食物線維だけでなく便通を良くするために下剤成分が入っていることもあり、知らないうちに下剤を飲んで下痢になっていたということもしばしば・・・。

腸を黒くする下剤や健康食品に要注意 〜大腸メラノーシス〜

サプリメントに含まれている添加物で下痢や便秘になっているケースも結構あります。

もともと腸は正常に動いて機能して、良い便を作り出口まで送り届けてくれているのに、送り届けられた完成品である便を排出する過程でつまづいたから肛門でトラブルが起こっているのです。

ある意味、痔という病気は「出口のつまづき」。

問題がどこで起こっているのか?

出口なのか?
お腹なのか?

それによって対処法も治療法も違ってきます。

この患者さんは「出口のつまづき」に対して、お腹に効くものを使用し、その結果、お腹の問題を引き起こしてしまいました。

必要の無い下剤やサプリメントのせいで、腸が過剰に動きすぎて下痢や頻便になっている人も多いです。

今一度、ご自分が口から入れているものをチェックしてみて下さい。

下剤のせいで切れ痔が悪化し肛門が狭くなることも

下剤やサプリメントで軟便ばかり出していると、肛門がどんどん狭くなることがあります。

便を出すことも大切ですが、どんな便を出すかも大切。

何でもいいから出ればいいというものではありません。

酸化マグネシウムやセンナ等のアントラキノン系下剤を常用している患者さんに肛門が狭い人が多いです。

必要ならいいのです。
合っているのなら問題ありません。

でも必要が無いのに内服して下痢や軟便になっているのであれば今一度、飲んでいる薬を見直しましょう。

 


診療所のセラピードッグ「ラブ」🐾
左側がラブです🐶
障害物のあるハウスにinして


「おいで!」の指示で出てきます♪
2ワンとも上手にできました!

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