手術もして2年近く通い続けたけれど治らなかった肛門の痛みの正体

今日の患者さんは60代女性。

2年近く東京の肛門科に通院して手術まで受けたのに、一向に痛みや出血が無くならないため千葉からわざわざ来られました。

今までの経過

「痔は手術しなくても治る」という東京の病院で約2年間、切れ痔の治療と手術をしたが、術後4か月たっても1カ所、ずーっとしみる痛みがあるのと、術後皮垂が出来てしまった。

皮垂のことを聞いてもあまり説明がない。

1年8か月ずっと通っていたが、あまり説明をされない先生で疑問と不安が募ってしまった。

2年間毎日、同じ薬を飲み、薬と坐薬で副作用なのか、手術の時の溶ける糸がチクチクするのか、たまにすごく痛かった。

術後に肛門のまわりがかぶれ、変色し、体全体に蕁麻疹、次は背中・足の付け根に湿疹が出来て皮膚科で治ったが肛門は専門外なのでと言われた。

不安と疑問を抱えて、どこで治療を受けたらいいのか、うつになりそうになった。

ブログでみのり先生が皮膚科医を経ての肛門科医だったのを知り、大阪に行くしかないと思い予約を取りました。

現在の排便と生活習慣

便は毎日出ています。
それどころか1日2〜3回出ます。

下剤は飲んでいません。

便が出る度にウォシュレットで洗浄し、洗ったあとなのにトイレットペーパーで拭くと便が付着するため何度も拭いています。

4回くらいは拭きます。

入浴時にはシャワーを肛門に直接当てて洗っています。

使っている薬は

ヘルミチンS坐薬
タカベンス錠
デラキシー配合顆粒
ラックビーN
抗生剤の軟膏

そしてコラーゲン、万田酵素など健康食品も飲んでおられました。

診察の結果

肛門周囲が真っ赤っかでした😱

しかも一皮(ひとかわ)めくったように、大きくびらんになっています😱

割と目立つ見張りイボが後方に1カ所ありました。

皮膚は炎症で硬く突っぱります。

肛門鏡で中を診察すると前方と後方に傷があります。

硬い便で切れたのか、手術の傷が治らずに残ってしまったのか、手術前のお尻を見ていないので分かりません。

幸い肛門は狭くない!

傷さえ治れば手術不要。

良かった・・・。安堵。

肛門の中と直腸に少量の軟便が確認出来ました💩

今日は既に3回も便が出たのに・・・です💦

坐剤を入れて残った便を出してきてもらいました。

そしてもう一度診察。

ちゃんと出し切れています。

ウォシュレットを使わなくてもトイレットペーパーでキレイに拭き取れたとのこと。

そうです。

スッキリ排泄出来ていたら洗う必要ないんですよ。

診断は洗い過ぎによる皮膚障害。

痛いのは痔ではなく皮膚だったのです。

肛門も狭くないので手術不要。
傷は便通を治せば治るでしょう。

治療は

  1. 肛門を洗うことを禁止!
  2. Sザルベを肛門周囲と中に塗る
  3. 坐剤で便を出し切る

次の通院は3週間後です。

診察の衝撃と治療経過

パソコンで私のお尻の写真を交えての病状と、プリントで赤線を引きながらの説明、おしりの手入れ、軟膏の塗り方、坐薬の仕方を実際に先生が丁寧に指導してくれたので分かりやすかった。

佐々木先生夫妻は治療方法を誠心誠意を持って伝えようとしているのをブログで強く感じ、また実際の診察も同じでした。

2年間の他院での不安と疑問が一気になくなりました。

ありがとうございました。

初診治療から3週間過ぎ、だいぶ落ち着いて着ました。

今までの2年間は食べ物にかなり気を遣って、便をやわらかくするということでしたが、出始めが硬い便が多かった。

出残り便が硬くなった状態だったんですね。

出残り便を出しておくと次の便は、始めからやわらかく、本当にすっきりして、ペーパーに便が付かなくなるんですね。

だから、よく洗わなくても大丈夫なんだと実感しました。

便通を整えるには、出残り便を出すことが大きいと思います。

軟膏もねっとりしているので、強力なバリアーになっていると思いました。

しっかり完治できるよう頑張ります。

3週間後の受診

皮がべろ〜んとめくれて真っ赤っかだった部分がキレイに治っていました✨

ただしシミはクッキリ残っています😓

そして肛門の中の傷も治っていました!

ただし出来てしまった見張りイボは無くなりません。

でも炎症で硬くなっていたのが、やわらかくなって、皮膚のたるみになっていました。

気にならなければ放置で構いません。

これ自体は痔ではありませんから。

坐剤も頑張って毎日使われたそうで、だいぶ慣れておられました。

出残り便が結構出るとのこと。

すっきりしない日は2〜3回坐剤を使ったそうです。

色々飲んでいたサプリを全部やめて、診療所から出された乳酸菌製剤だけで便がやわらかくなっていました。

サプリメントも添加物が多く、サプリメントによる健康被害もありますから、一度飲むのをやめてみて、何も変わらなかったら必要無いと判断してもらっています。

サプリメントのせいで便秘や下痢になっている患者さんもおられますので要注意です。

肛門周囲の皮膚も切れ痔も治ったので今日で治療終了です😊

この患者さんのように2回目の通院で治療が終わることが多いです。

便秘は治っていませんから、便通の管理だけは、通院が無くなっても、ずっと続けてもらいます。

あとは自己管理。

もうバッチリ出来ると思いますので次回は1年後にお尻健診で来て頂くことにしました。

痛みの正体は洗い過ぎによる皮膚症状

結局この患者さんの痛みの正体は、痔ではなく、洗い過ぎによる皮膚障害でした。

このようなケース、温水洗浄便座が普及し、洗う習慣が当たり前になってから、どんどん増えています。

痔に良かれと思って使っている人も多いようですが、痔の痛みなのか、肛門周囲の皮膚の痛みなのか、患者さん自身でも分からないようで、一生懸命痔の治療をされているのですが、「痛みだけは何も変わらない」と言われます。

もしも洗う習慣があるのであれば、一度洗うことを完全にやめてみてほしい。

それで症状が改善するのであれば、過剰衛生によって引き起こされた痛みである可能性が高い。

そして洗わないとキレイに拭き取れない場合は、出残り便がある可能性大。

そもそも、その排泄を直さなければ根本的な解決は難しい。

なぜなら肛門のトラブルは、その排泄の結果引き起こされているからです。

便通を治さずに手術だけ受けても痔を繰り返す

痔は排泄の結果です。

痔の原因となった便通や排泄を直さずに手術だけ受けても、その場は痔が無くなっても、何年か経ったらまた痔になります。

痔は繰り返されます。

だから痔の根本治療は便通を治すこと。

便通を治せば手術しなくても痔が治ったり、痔は無くならなくても無症状になる人が本当に多いです。

手術をする前に便通を見直して欲しいです。

そうすれば手術をしなくても済むかもしれません。

安易な手術は後悔を生みます。

手術は最終手段です。

あれこれやってみたけど打つ手が無い・・・という場合に初めて検討するもの。

最初から手術ありきの肛門医療が「まずは痔の原因となった便通を治す」という方針に変わることを願います。

でもそれって、医療機関の手術収入が減ることになるので、広がらないだろうなぁ・・・😓

だからせめて内科領域の先生方や患者さんにだけでも広まったら、救われる人が増えるんじゃないか・・・そう思って情報発信をしています。

私たちの情報が困っている人に届きますように。


診療所のセラピードッグ「ラブ」🐾
右側がラブです🐶
笑顔でじゃれ合ってます💕

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