手術をしても切れない肛門を作ることはできません

(2018年9月9日加筆修正)

痔の治療専門に100年以上の歴史のある大阪肛門科診療所 肛門科女医で専門医・指導医の佐々木みのりです。

大阪肛門科診療所は自由診療です。
保険が効きません。

だから・・・というわけではないのでしょうが、セカンドオピニオンの患者さんが多いです。

遠方から飛行機に乗って受診される方もおられます。(北海道の患者さんが結構いる)

中には他の施設で手術を受けられた患者さんもおられます。

手術回数も3〜4回という人もおられます。

手術しても治らない…>_<…
手術して一旦治っても再発を繰り返す

というケースで多いのが切れ痔(裂肛)です。

切れ痔(裂肛)は硬い便などで肛門が傷ついた状態、分かりやすく言うと「肛門のケガ」ですから、便通を直さなければ何度手術しても切れ痔(裂肛)を繰り返します。

怪我をしない体を作れないのと同じで、切れない肛門を作ることは出来ません。

切れないように・・・と、便をやわらかくする薬(酸化マグネシウムやマグミット、マグラックスなどの軟便剤)を大量に飲んでいる人も多いですが、形のないやわらかい便ばかり出していると、肛門がどんどん狭くなっていって、今度は本当に「切れやすい肛門」になってしまいます。

だから下剤や軟便剤にも要注意です。

必要ない下剤を飲んでいる人が多いです。

裂肛・肛門狭窄症で手術を受けたけれど・・・

約2年近く裂肛に悩まされ、傷がない時の方が少ないというくらいだったので、このままずっとこの状態なのかなと不安に思っていました。

しかしその中でも一番調子が良かった時に、ストレスや長時間座っていたこと、冷えが重なって外痔核ができ、以前通院していた病院で日帰り手術で取りました。

それまでは傷があっても日常生活には支障がなかったのに、手術の痛みは強く、便通コントロールがうまくいかなくなり、仕事に行くこともできないほどで、日帰り手術なのにこんなになってしまうのかと、とても落ち込みました。

もちろん裂肛も治っていなかったので、痛みのことや生活のことなどで、先生に相談したくても質問を1〜2個するだけで、先生のイライラが分かるくらいだったので、聞きたいことも聞けませんでした。

その状態で家族の転勤のため引っ越しをすることになり、病院も変える必要があったため、インターネットで探したところ、ここを見つけました。

自分の症状(傷がなかなか治らない、トイレットペーパーに何度も便が付くなど)に当てはまるところが多かったため、費用的な部分がかなりネックでしたが、夫の一押しもあり、受診することにしました。

前置きが長くなってしまいましたが、診察の内容は私にとっては結構衝撃でした。

坐薬を毎回自分で入れ、肛門マッサージをするということで頭がいっぱいになり、先生の話についていくのが大変でした(笑)

夫も一緒に診察についてもらったので、一緒に来て話を聞いていてもらって良かったです。

帰りは自分でできるかとても不安でしたが、「おしりは被害者、自分は加害者」「自分のせいでこうなったのだから、自分でどうにかするしかない」と言い聞かせて、頑張っています。

先生には自分が聞きたいことも聞けたので良かったです。

これからどうなるかはまだ分かりませんが、きちんと自分で受け止め、取り組み、何回も受診せずに共存していけると良いなと思っています。

前置きで愚痴っぽくなってしまいましたが、本当にありがとうございました。

 

排泄を直したら切れ痔(裂肛)が治りました

初めて受診された患者さんに渡しているアンケート用紙。

9割以上の人が書いてくれます。

本当に有り難いです。とても嬉しいです。

その内容に今までどれだけ勇気と励ましをもらったか分かりません。

患者さんが書いてくれるタイミングが受診直後なのか、治療終了時なのかによって内容が違うのですが、この患者さんは受診直後に書いてくれました。

中には診察が終わった後、待合室で一生懸命書いている患者さんもおられます

その後、この患者さんの切れ痔(裂肛)は治りました。

排泄を直してもらっただけで治りました。

すごく喜んでもらえました。

2回目の受診はご主人の付き添いはなく、一人で来られてましたね。きっと不安が無くなり、安心されたのだと思います。

私たちの痔治療では、病院でよく出される坐薬や注入軟膏も使わないことが多いです。

ワセリンとミツロウだけで作った手作り軟膏「Sザルベ」だけで、薬を使わなくても治るケースがほとんどです。

意外なことに薬を使わなくても治ってしまうんです。(これには私たちも驚きでした)

切れ痔(裂肛)に関しては本当に2週間くらいで、ほとんどの患者さんが完治して治療を終わっていますね。

切れ痔(裂肛)は治っても便通は直ってない

切れ痔(裂肛)が治ったら治療は終了です。
通院も必要ありません。

でもね

よーく考えて欲しいのです。

切れ痔(裂肛)は治っても便通は直ってません。

だから便通の管理はずっと自分で、日々の排泄の中で続けてもらわなければならないのです。

多くの人が

治ったらおしまい!
今日から何をやってもいい

と考えがちですが、お尻に負担がかかるような生活を続けると、またお尻は壊れます。

痔になった原因である便通を直さなければ何度でも痔を繰り返します。

便通の管理は患者さんの日々の仕事

だから切れ痔(裂肛)「治療」は終わっても「便通の管理」はずっと続くんです。

便通の管理のために何を使うかは患者さんによって異なります。

飲み薬の人もいるし、その飲み薬だって患者さんによって何を使うかが違います。

同じ薬でも飲む量も違います。
飲むタイミングも違います。

便を出す坐剤を使うことが多いですが、それを使うタイミングも、使う回数も頻度も、患者さん一人一人みんな違います。

当然、ちゃんと排泄できるようになったら坐剤すら必要なくなります。

そうなるまで使ってもらっていますが、いつまで使わないといけないのかも患者さんによって随分違います。

また同じ患者さんでも便通って一生同じではないです。

環境や生活スタイルによっても変わってくるんです。

だからその都度、必要に応じて管理方法も変化したりします。

 

自己管理がうまく行くと本当に通院が必要なくなります。

だから大阪肛門科診療所の患者さんたちは1年に1回、お尻チェックにだけ来ている人が多いです。

「病気(痔)が治ること」「便通が直ること」とを明確に分けて考えて下さいね!

痔が治っても便通が直ってないとまた痔になっちゃいます。

痔を繰り返さないために毎日の便通管理はとても大切です。

治ったからと油断せず、また痔にならないために便通の自己管理は怠らず、日々の生活の中で続けて下さいね!


診療所のセラピードッグ「ラブ」🐾
犬のようちえんで
他のワンコと一緒にトレーニング♪
別々に指示を出しても、
ちゃんと従います✌

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