手術と言われても、もしかして手術をしなくても治るかもしれない

(2019年5月10日加筆修正)

子供が2人いるのですが出産は超安産で、陣痛が分からず、産院に着いてから2時間くらいで出産終了となった佐々木みのりです。

妊娠や出産にまつわる痔って多いですね。

だからでしょうか。

「妊娠したら痔になる」「妊娠中は痔が悪化する」とか「出産すると痔になる」などという逸話があるようです。

私これ、否定派です。

だって、これが真実なら妊婦さん全員、痔になってるはずだし、痔の妊婦さん全員、痔が悪化してるはずだし、出産回数が多い人ほど痔がひどいはずです。

でも実際に患者さんを診ていて違うことが多いです。

妊娠中のほうが便通が良くなって痔が改善してる人もいるし、出産経験が全く無い人なのに立派な脱肛になってる人もいるし、子供を8人も産んでるのに全く痔が無いキレイな肛門の人もいる。

妊娠中の痔についてはコチラをお読み下さい↓

妊娠中の痔 〜手術は原則しない〜

そして本当に多い勘違いが「痔は手術しなければならない」というもの。

ブログでも書いていますが、痔の多くが手術しなくても良くなります。

手術でしか治せない痔は本当に一握りです。

だから手術を言われてもあきらめないで欲しいです。

手術せずに治せる方法があるかもしれません。

コチラの記事も是非読んで欲しい↓

痔は手術しないと治らないのか?(手術しても治らないかも?!)

手術宣告を受けたけれど手術せずに治るケースが多い

 

 

中国地方から赤ちゃん連れで来られた患者さん。

妊娠中から切れ痔になり、産後ますますひどくなって地元の肛門科を受診。

そこで「もう手術しても良いレベル」と言われて軟膏を大量にもらって帰られました。

その後、軟膏でも良くならず、他の有名な病院にも行ったりしましたが、結果は同じ。

その頃、ようやく手術と入院を決意されたのですが、以前から私のブログを読んでおられ、手術を受ける前に受診してみようということで私の外来に来られました。

診察すると大きな切れ痔と見張りイボがありました。

確かに・・・
この肛門の状態だと手術と言われても仕方ないかな・・・

と思ったのですが、予想通り肛門の中にいっぱい便が溜まっていたのでスッキリキレイに排泄してもらいました。

そうしたら・・・

その場で痛みが軽減。

もしかして出口の便秘を治せば改善するかもしれないと思い、まずは手術を考える前に保存治療をしてもらうことにしました。

そうしたところ・・・

大きな切れ痔(裂肛)見張りイボがありましたが、3週間後に来られた時には切れ痔は治っていました。

パンパンに腫れて大きかった見張りイボも炎症がひいて、しぼんでやわらかいたるみ(皮垂)になっていました。

もちろんたるみ(皮垂)は無くなりませんが、気にならなければ切除しなくても何も問題ありません。

患者さんも

「排便時の痛さや、ツラさや、恐怖や・・・・

私はもうこのまま一生ツライ想いをしてトイレに行くんや・・・

という絶望から解放されました。」

と涙ながらに喜んでくれました。

患者さんにとったら排便時の痛みや出血が無くなって、快適に過ごせるようになればいいわけで、それが手術でしか得られないのであれば手術治療を選択するわけですが、ほとんどの痔が手術をしなくても良くなります。

「でっぱり」「できもの」を無くしたい、取り去りたいという希望があるのであれば手術治療を選択しますが、患者さんのゴールは「排便時の痛さや、つらさや、恐怖を無くしたい」というものだったので、保存治療で完治となりました。

つまり治療のゴールは患者さんによって違うわけです。

「治療」は患者さんの「不便」を取り除き「こうなればいいな」を実現すること

治療に関する考え方は医師によって違うと思います。

治療には学会などで定められた「ガイドライン」があり「標準治療」と呼ばれるものもあります。

でも医学的に正しいことが必ずしも全ての患者さんに当てはまるわけではないし、患者さんを幸せにするとは限らない。

特に痔は良性疾患です。

癌と違って命にかかわる病気ではありません。

だから「絶対に手術しなければならない」わけでもないし、イヤなら手術を受けずに痔を持っていてもいいのです。

あまりにも手術ありきの肛門医療が横行しているため、患者さんも医師に勧められるがままに受けてしまうようですが、ゴールを明確にしなければ後悔することにもなりかねません。

患者さんによって治療のゴールは違うことが多いです。

例えば「いぼ痔」「見張りイボ」「肛門皮垂(スキンタグ)」などの「でっぱり」「できもの」にありがちなのですが、

出来ている「物体」を取り去って無くしたいのか、

痛みや出血などの症状が無くなって排便が苦痛なく出来ればいいのか、

そのどちらかで治療は大きく異なってきます。

若い女性だと肛門をキレイにしたいという希望もあります。

そういう患者さんもいます。

でも、ほとんどの患者さんが「悪いものでなければ物体は残っても構わない」と言われます。

今、困っている症状が無くなればいいと。

何がつらいのかというと毎日の排便です。

トイレの恐怖が無くなれば幸せだと言われます。

その物体のせいでトイレがつらいものになっているのであれば取り除くべきですが、便通が悪いから痛みや出血があるわけで、便通を直せば症状が無くなってしまうことがほとんどなんです。

そもそもその物体も便通が悪いから発生したわけで、便通を直さずに物体だけ取り去っても、また出来てしまうんですよ。

だから手術しても同じです。

便通を直さないとまた痔になってしまいます。

だから手術希望の患者さんも、手術がイヤな患者さんも関係なく、便通だけは直してもらっています。

当院では、よほどのことがない限り、手術を受ける患者さんには便通を直してから受けてもらっています。

なぜなら、そんな便通で手術しても術後に大変な思いをするし、便通が整ってから手術を受けてもらった方が術後の痛みも少ないし経過もいいです。

キレイに治ります♥


治療のゴールは何なのか?

物体を取り除いて肛門をキレイにすることなのか?

痔に伴う症状を無くしたいのか?

あなたのゴールを明確にしてから治療を考えて下さいね。

でも、どんな治療を受けても、痔の原因となった便通を直さなければ何度でも痔を繰り返しますよ。

だから

痔の根本治療は便通を直すこと。

あなたはちゃんと根本治療をしていますか?


診療所のセラピードッグ「ラブ」🐾
左側がラブです
診察室にラブが居ることで
患者さんの緊張が和らぎます

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